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その他のホゾ、構造について 22 2002.7.23記
框組チェストについては
「その他のホゾ、構造について 3」に書きました
が、板組チェストの場合の構造について少し書いて行きます。
おおよその外観は図の様になると思いますが、框組チェストの場合には
その構造の性質上、縦框をそのまま伸ばして四足にするのが一番自然だ
と思いますが、板組チェストの場合は和箪笥の様な、べた底が一番自然
だと思います。
このべた底も上図の様に、側板をそのまま伸ばして使い、前後は横框と
して二枚の通しホゾで組んでしまうか、
下図の様に底板で本体を組んでし
まい台輪を取り付けるかになると思います。この時の底板は和箪笥とは使
い道が違いますから、密閉状態では使い勝手が悪くてどうしようもないので
分割したり、穴を開ける等して密閉状態にならないようにします。
また、この台輪も色々な方法
、スタイルを考える事が出来ます。
もちろん四足にする事も出来ますが、その場合には側板をそのまま伸ばし
て使うのが自然でしょう。この辺りは好みや考え方の違いが有りますので、
自分に合った方法で作る事になります。
私の場合はシンプルで実用的な家具を作りたいので、上図の様な方法が
構造、作業性、外観、価格などを総合的に考えて、
一番自然だと思いこの
方法で作っています。
べた底といいましても家具の精度や床の平面性を考えればどんな家具でも
実質的には四足となるように作っていると思いますが、上図の場合で白丸
部分は2、3ミリで考えておけば良いでしょう。また、下図の台輪の場合にお
いても同寸法で一点差線の様にすき取ります。側面も同様ですが、このす
き取りは好みでデザイン的に変化を付けても良いでしょう。
青丸部分の板厚は25ミリ程度が適当でしょう。この部分の仕様は「その他
のホゾ、構造について 13」で書きました様に、側板前面は緑矢印寸法5ミ
リになるRをカンナで削り跡を残して付け、引き出し前面は茶矢印寸法2ミリ
控えます。これで引き出し両側の目違い払いは不要になりますし立体感が
出てきます。
この時の黄丸部分の天板との接合は、前面の処理の関係から組み手では
収まりが悪いので「その他のホゾ、構造について 1」で書きました、肩付き
追い入れ継ぎで組み、図の様に側板は天板より5ミリほど出しますと収まり
が良いでしょう。
框組チェストの場合はなるべくシンプルな雰囲気にしたいので、引き出しは
棚口桟の不要な吊り桟が良いでしょう。ただし、上図の様に引き出しを左右
に分ける部分には紺矢印の棚口桟が必要になります。
上図赤点線の吊り桟は、下図の様に側板に溝を掘り吊り桟をはめ込み、桃
丸部部のみ接着剤を付けビス止めします。この時に吊り桟の前面は設計値
より0.5ミリ程度前に出しておき、最後に引き出しの面合わせの時にノミで削
ります。
紫矢印部分は裏板を張る10ミリ程度の切り欠きになりますが、橙矢印部分
は伸
縮の関係が有りますので、数ミリ控えます。また、吊り桟後部は浮かな
いように、図の様に吊り桟寸法を切り欠いた吊り桟押さえを作り水点線部分
に接着ビス止めします。この切り欠き精度はあまりシビアに考える必要は無
いでしょう。
吊り桟の木取りは材の伸縮やせん断強度を考えれば下拡大図の様になるで
しょう。
仕切り板の部分の吊り桟については、「その他のホゾ、構造について 3」を参
照してください。ただし、板組みは材の伸縮を考えてその逃げを工夫する必要
が有ります。
「その他のホゾ、構造について 23」でもう少し書いていきます。
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