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その他のホゾ、構造について 3 2001.11.18記

 引き出しは Information の「引き出しについて」、で書きましたように、受
け桟と吊り桟(レール式)が有りますが、ここでは IN SET のそれぞれについ
て例を挙げてもう少し詳しく書いていきます。
受け桟は構造として色々な作り方が有りますが、構造的にはホゾ組みで
本体に
組み込んでいく事が多くなりますから、目違い払いなどの修正が出
てきますので作りは面倒になりますが、逆にそれが組み立て易さに繫がる
所も出てきます。当然全体の強度は上がります。
チェストなど引き出しが縦に複数並ぶ場合は図の様に引き出しと引き出し
の間に棚口桟(矢印)が入りますので、デッドスペースは増える事になり
ます。
構造としては前後の棚口桟に引き出しの受け桟(点線)を止めホゾで組
み渡します。また上丸部分は点線の天板の反り止めを矢印の様に
本 体に木ネジ止めますので、この反り止めを棚口桟と面合わせに調整し
てやれば受け桟(上ブレ止め)の役目を兼ねてくれます。
引き出しの横ブレ止め(点線)は、これも前後に渡しますが、これは強度
も要りませんので受け桟に木ネジで止めてしまいます。また引き出しが横
に複数並ぶ場合は、矢印の仕切り板が必要になりますが、ここは加重
が絶えずかかり続けますし、強度と精度が必要になりますので上下共二
枚の通しホゾにします。
引き出しのストッパーは後ろの棚口桟上に木片を打ち付けます。
この例は框組構造で書いていますが、板組みでも基本的には変わりませ
んが、膨長収縮の関係からこの時の受け桟後部丸部分)は、接着剤は
付けず にホゾを差込み胴付き面は逃げに意味で数ミリ空けておきます。

吊り桟(レール式)は本体に組み込んでいく事もできますが吊り桟の性質上、
本体を組み立てた後に組み付けて行くのが理に適っていると思います。
この場合、部品点数は増える傾向に有りますが、一つ々の作業は簡単に
なりますし目違い払いなども不要になりますので、作業はスムーズに進み
ます。ホゾ組みなどより組み付け精度は上がります。
引き出しが縦に複数並ぶ場合は図の様に、仕切り板(矢印)の付く所は
棚口桟(矢印)が必要になりますが、それ以外は不要になりますので引
出しの内容積は増える事になります。
吊り桟(点線)は両側の前後の縦框(柱)に欠き取りを作りそこに図(
矢印)の様な吊り桟をはめ込み接着剤を付け木ネジで止めます。また
矢印の仕切り板部分はその下の図の様に前後の仕切り板に欠き取りを
作りそこに図の点線の様に左右の吊り桟を二本取り付けます。
引き出しの横ブレ止め(点線)は、受け桟と同様に吊り桟に木ネジで止
めます。
この時下丸部分は、点線の側面上部の横框の巾を少し広げ内面を合
わせれば、横ブレ止め役目を兼ねてくれます。また側面下部や中の横框
についても同じ様にすれば、合理的な構造になります。これは受け桟の場
合も同じ 事になります。
引き出しのストッパーは、図の矢印部分になりますので、組み付け時に
は設計値より1ミリ弱前に出しておき、引き出しの面合わせ時にここをノミ
で落として調整します。
これで写真の様な吊り桟(レール式)の取り付け終了です。
ここでは吊り桟と横ブレ止めは別々で作りましたが、図の様に少し複雑に
なりますが一体で作る事も出来ます。

引き出し全般についの注意ですが、引き出し後ろ空間の空気の逃げ道
を良く考えておきませんと、和箪笥の様に最後の所で空気抵抗のためス
ムーズに入らなくなってしまいます。これも何度も体験してしまいました。
これは設計の段階では案外見落としやすい所ですから、設計する時には
特に吊り桟(レール式)で奥いっぱいまで取るとき等は、空気の逃げ道の事
も頭に入れて構造を良く検討するようにします。
先の写真で後ろ横貫に開いている丸穴が、その空気の逃げ道です。また
仕切り板の二枚の通しホゾ接ぎが確認できると思います。


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