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その他のホゾ、構造について 5 2001.11.22記

 「ホゾについて 4」で少し書きましたウインザーチェアーなどに良く使う
丸棒同士の丸ホゾ接ぎについて少し詳しく書いていきます。
前にも書きましたように、ベニマツでは強度の関係から、丸ホゾでも胴付
き面を設けた通しホゾで作る部分が多くなります。ウインザーチェアーは
四方転びが多いですし、背も傾けますのでホゾ穴は図の様に角度の付い
た丸胴付き通しホゾになります。
この構造のホゾ接ぎ最大可能角度は、Exhibitionに有ります、三脚スツー
の三角貫部分の様に30度が限界です。

設計は円の中心線(部材、ホゾ穴の中心)である図の一点差線を基準にしてい
きます。製作においては作業の性質上外から追う事も有りますが、基準は
飽くまでも中心線です。
この時に矢印の胴付き面のホゾ穴深さは、ホゾ穴を開ける部材径の1/3
〜1/5程度の間で決めていきますが、この時矢印部分の寸法は、部材の
角度や部材径とホゾ穴径の関係で変わってきますので、5ミリ前後は確保で
きるように原寸図を書いて確認しながら深さを決めていきます。この同心円
のホゾ穴を正確に開ける事は、なかなか難しいので少しでも狂いを少なくす
る工夫をして慎重に加工していきます。
角度の付いた穴あけは、「ボール盤テーブルについて」で書きましたテーブ
ルや矢印の様な角度治具を使い空けていきます。
同心円のズレと通しホゾの貫通穴のズレを少なくするために、まず2〜2.5ミ
リの細い案内穴を貫通させます、この案内穴をガイドに胴付きの穴を座グ
リます。次に通しホゾの貫通穴を空けますが、この貫通穴は胴付きの穴よ
り細いので、先の加工で案内穴が大きくなってしまいセンターが出しにくい
ので目測で慎重に深さ3ミリ程度開けます。次に部材を逆にして案内穴をガ
イドにして貫通させます。これで貫通穴にズレが有った場合でも、深さ3ミリ
程度分ですから修正はわりと楽に出来ます。

この加工手順などは、まず胴付きの穴を座グリ、次に案内穴を貫通させた
りするなど、条件により変わってきますので絶えず最適な手順を考えてくだ
さい。
また穴あけ角度が大きくなると、案内穴の穴あけは、木に負けてなかなか
垂直に刃が進まなくなりますので、キリで下穴を開けゆっくり掘り進む様に
したり、場合によっては、験し掘りして狂いを見越して治具の角度を変えた
りするな どの工夫が必要になります。
また治具なども部材の位置を決める等の機能を考えてやれば、穴あけ精
度を上げる事が出来ますし、アイデアしだいでまだまだ改善の余地があり
ます。

部材の形状は基本的に中太にします。こうする事でバランス、見栄えなど
は良くなると思います。特に胴付き部分は部材がストレートですとホゾ穴の
現合調整では調整精度(許容範囲)が微妙になりますし、全体を削る事に な
りますが、 反対側のホゾ調整に影響してしまいますので、図の様にテー
パーにする事で他のホゾに影響する事無く個々の調整が容易になります し、
テーパーの性質上、太めに仕上げて押し込みやすくなりますので、ホゾ の
調整精度(許容範囲)も広くなります。当然部材の密着も良くなります。
また細い部材に太い部材を組む事ができますので、ウインザーチェアの様
に脚に貫が入り、その貫にまた貫が入る場合などでは、部材がストレートで
あれば段々部材が細くなりますが、当然テーパーであれば、あまり細くせず
に組む事が出来ますので、強度を上げる事ができます。

これが仮に図の様に胴付きの無い場合には、通しホゾの部分はテーパーで
はホゾが効きませんから、円柱にしなければなりませんので、テーパーを付
ければ丸部分の境目の処理が難しくなり、南京ガンナや木工旋盤を使わ
ないとうまく加工出来なくなります。
また図からも判るように、当然同じ太さの部材を接ぐにはホゾ穴が大きくなり
ますので、個々の部材寸法の選択巾が狭くなりますし、組み立てる時には位
置が決まりにくい事も有ります。
イスの座板などに脚を組む場合、図のような方法も有りますが、これは堅木
で木工旋盤などの量産向きではないかと思います。見栄えとしてもあまり良
い物ではありません。
ベニマツ等、軟材のイスなどは、特に止めホゾでは効きが弱いので通しホゾ
になり、アノニマス的にどなたが考えても、加工は面倒になりますが胴付きの
この形になるのではないかと思います。

「その他のホゾ、構造について 6」でもう少し書いていきます。
 

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