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その他のホゾ、構造について 23 2002.7.28記
少しでもシンプルな外観にするために、引き出しは左右分割せずに作
れば棚口桟、仕切り板を省く事が出来ます。その時には必要に応じて、
図の一点差線の様に、引き出し内部に仕切り板を付けて分割しておけば
良いでしょう。こうする事で、本体構造はかなり簡素化する事が出来ます
し、見栄え的な収まりも良いでしょう。
黄丸部分の接合は前項で書いた様な、肩付き追い入れ継ぎで組み、側
板は天板より5ミリほど出した方法よりも、図の様に留めにして組んでしま
えば、作る手間はかかりますが更にシンプルになり、これももなかなか良
いものです。
この部分の組み方も色々な方法が有りますが、懲りだしたら限が無いで
すし、何事も程々で適材適所が有りますので材料にもよりますが、ベニマ
ツの様な軟材では留め蟻形組み接ぎか、写真の様な、留め形5枚組み接
ぎ等の方法が無難な所ではないかと思います。
図は留め形5枚組み接ぎで書いてありますが、分割する枚数は好みの数
で構いませんが、ベニマツの場合は留め部分だけはどうしてもビスなどで
締めておきたいので、少なめにして図の様にビスを併用してダボ埋めが良
いのではないかと思います。このダボ穴も木口近くですから角ノミを使う事
が出来ると思いますので、角穴にしても面白いでしょう。
木口の出し方についてはケーバイケースになりますが、基本的には図茶丸
部分の天板側の両端に木口が出ない様にしておく方が良いでしょう。
ただし、この場合は前側は留めになりますので、天板、側板共に木口は出
ませんので、天板の後ろ側の木口が出ない様にとなります。
木取りとしては、板幅は450ミリ前後の一枚板はなかなか入手が難しいの
で、2、3枚の板を雇ざねで接いで作る事になると思います。
天板と側板の幅は後の作業に影響しますので、精度良く揃えておきます。
長さについては、図の緑矢印寸法の組み接ぎ部分は3〜5ミリ程度長くして
おき、組み立て後に切り取ります。
スミ入れをしていきますが、基本的には好みの奇数枚で均等割りしていき
ますが、不当寸法でも構いませんのでデザインも加味しながら決めていき
ます。ここはかなりのバリエーションが出来るでしょう。
ただし、どんな分割でも、板幅に対して左右対称にしておいた方が良いでし
ょう。後の作業が楽になりますし精度も出ます。
まず、初めにビス穴とダボ埋めの穴を空けておきます。
次に、天板の凹部分を昇降盤で図の青矢印の様に縦に切込みを入れます
が、この時には必ず両木端を基準面として、センター振り分けとなるように
加工します。
次に紫点線の凹部分の底を角ノミかルーターで加工します。角ノミの場合に
は0.5〜1ミリ控えて加工し、後はスミ線に沿ってのみで落とします。
ルーターの場合も一度で決めずに少し控えて加工し、次に決めます。後は角
をノミと切り出しで綺麗に仕上げます。
この凹部の底は、ホゾの胴付き部分と同じ発想で綺麗に密着するように、必
ず中部分をノミで少し削り取っておきます。これはルーター加工した場合でも
同様です。
次にこの天板を基準にして、側板の凹部を同様に加工していきます。この時
の嵌めあいは当然、分割枚数が多ければ緩く、少なければきつめにしますが、
手でなんとか押し込める程度で良いでしょう。
次に留め部分を昇降盤出加工します。また、手加工の場合にはノコで切り込
み、図の橙の様な留め加工治具をあてノミで仕上げます。また、留め部分横
の水丸部分の木端も手加工になりますので、留め部分と同じ様に直角の加
工治具をあてノミで仕上げます。
最後に各部の入り面を忘れずに取っておきます。
組み立て手順としては、まず吊り桟を取り付け、次に吊り桟押さえを取り付け
ておきます。次に前後の横框と側板を組み立ててしまい、最後に天板を組み
付けます。後は余分な部分を切り取りカンナで仕上げ、裏板を張り本体の組
み立ては終了です。
「その他のホゾ、構造について 24」で続きを書いていきます。
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