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その他のホゾ、構造について 19 2002.7.5記
折りたたみ式のテーブルについて少し書いていきます。
写真の様な折りたたみ式のテーブルは、色々な形状や方式が有りますし
考える事が出来ます。名称は詳しく知りませんし方式にもよると思います
が、バタフライテーブルとかドロップリーフゲートレッグステーブル等とも呼
ばれているようです。
この手の家具は便利なようで不便な所が有り、不便なようで便利な所が
有り、本当に実用性を考えた場合にはなかなか難しい所がありますが、
堅苦しく考えずに新しいアイデアを考えて作り出す事に楽しさが有ります
ので、同じ物では面白くありませんから、ここに書く事を叩き台にして、遊
び感覚で独自のメカニカルなテーブルを作り出して、その楽しさを味わっ
てみてください。
ここでは写真の様なラウンドテーブルを例に書いていきます。
テーブルの分割については、折りたたんだ時の青矢印寸法をどうするか
になりますが、この寸法はあまり大きくしては折りたたむ意味が無くなっ
てしまいますし、折りたたんだ時の見栄えと台として使う事を考えても、最
大400ミリ前後までにしておくのが良いでしょう。
また、写真(A)の様な卓袱台等のローテーブルでは、折りたたむ部分の
寸法が大きく取れませんので、直径1100ミリ程度が限界でしょう。
写真(C)の様な普通のテーブルでは、標準値(H)680ミリと考えて直径1700
ミ
リ程度まででしょう。
テーブルの形状によりそれに適した脚の仕様、構造が有ると思いますが、
写真のテーブルはラウンドテーブルですから、天板を受ける図の緑点線
の可動脚の支点は、図の白丸ポッチの所になりますが、ラウンドテーブル
の場合はなるべくテーブルのセンター付近にしておけば、テーブルとして
使う時に一番邪魔になりにくいでしょう。
当然可動脚の取り付けはピンになりますが、10ミリ前後の丸棒を作り木
口に穴を空けて取り付けます。この、木口への穴あけは卓袱台等では高
さが低いのでボール盤で加工できると思いますが、写真(C)の様な普通
のテーブルになりますとボール盤が使えませんので、工夫してなるべく垂
直を出す様にしてください。
この可動脚等のホゾについては「ホゾについて 5」に書いて有りますので
参照してください。
可動脚を取り付ける貫は、上図には描いてありませんが写真を参考にし
てください。ここは目立つ所ですから機能と収まりを良く考えてデザインし
てください。
この貫は折りたたんだ時に、可動脚を取り付ける関係で写真からも判る
と思いますが、センター付近を広げますので、図の茶点線の天板の反り
止めが当たる可能性が有りますので原寸図で良く確認しながら設計を進
めてください。ここは切欠きや形状で逃げる事になるでしょう。
少し判りにくいですが、写真(A)では形状で、写真(C)では切欠きで逃げ
る様に設計し
ています。
また、この貫は写真(A)の様な卓袱台では高さが低いので下部のみとし
て、可動脚の上部は図黄線の部材の様に、天板に当て板を付けそこに取
り付けます。
写真(B)の様に大きいテーブルになりますと、この貫は横ブレ止めのスト
レッチャーの働きも兼ねていますので、強度を考えて図の様に上下2本に
してその貫の間に可動脚をピンで取り付けます。
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また、可動脚は赤丸部分の等の様に、他の部材と当たる所はがたつく可
能性が有りますので、なるべくマグネットキャッチ等でロックしておくと良い
でしょう。このマグネットキャッチは、図の様にマグネット部分が丸タイプの
物をマグネットキャッチのフレームから外してテーブルのフレームに埋め
込んで使いますとあまり目立たずに見栄え良く収まります。このタイプのマ
グネットキャッチは、図の紫部分がネジになっていますので、木口以外でし
たらネジが利きますのでタップを立てておけば寸法調節が可能に成ります。
また、できれば可動天板もこのマグネットキャッチを活用してたたんだ時に
軽くでもロック出来るようにしておけば親切です。
このマグネットキャッチの扱いは、あまり目立たずに見栄え良く収まります
ので、折りたたみ式のテーブル意外でも色々な所で活用できると思います。
写真はExhibitionに有りますデスクセットの上部書棚の観音開きの扉部分
にこのマグネットキャッチを埋め込んだものです。
「その他のホゾ、構造について 20」で続きをもう少し書いていきます。
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