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その他のホゾ、構造について 9 2002.4.8記
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次に一番多く使われていると思いますが、図の様に四方を框に組んで鏡
板
をはめ込みます。このタイプは扉としての縦横の伸縮が一番小さいの
でフレームへの取り付けにおいて隙間を小さく出来ますので、見た目の収
まりが良くなります。
この鏡板はテーブルとして使いますので、板厚は最低でも20ミリは欲しい
所です。もし、ベニマツを使われるのであれば軽いので、不便にならない
範囲でなるべく厚くしておくと良いでしょう。
図では普通の框組みで書いてありますが、少しがんばって茶点線の様に
四隅を留めにして、額縁にしておけば見栄え良く仕上がります。
この構造では青線の様にテーブルトップになる面の框と鏡板のレベルを合
わせる事と、上に書きました様に鏡板もトップとして使いますのである程度
の板厚が必要になり
ますので、反対面の鏡板の処理も図の様にテーパー
にしたり、緑点線の様にするなどデザインと合わせて、見栄え良く収まるよ
うに考える必要が有ります。
また、この構造でも框と鏡板の伸縮の関係で、黄丸部分にスペースが必要
になりますので、ここを見栄え良く収めるように工夫しなければなりません。
例えば、
この黄丸部分の逃げの意味も考慮して、トップを落とし込みにして
皮を張ったり、タイル張ったりするのも面白い
でしょう。
組み立てに際してテーブルトップに使う面は、框と鏡板に目違いが出てくる
と思いますが、特に左右の長い木端と木口のカンナによる目違いばらいは、
難しいので、カンナにこだわらずアクションランダムサンダー等が有れば活
用しましょう。楽に早く出来ると思います。
また、前項で書きましたキッチンキャビネットやリビングキャビネットの扉とし
て軽く作り、折りたたみの出来る物置きスペースとして使う場合には、ライテ
ィング機能は無くても良いので、図の様に鏡板は框に切り欠きを付け10ミリ
程度の薄板を、写真の様な相欠き打ち付け接ぎで組んでしまうのも良いで
しょう。
この時に框は使用目的から丈夫さ耐久性を考えて留めではなく、普通に
ホゾでしっかり組んで作
る方が良いでしょう。また、見た目的にも相欠き打
ち付け接ぎに合うと思います。
かなり軽く作る事が出来ますので、実用的な家具にピッタリですし、大きな
物まで支障なく製作可能になります。
この板を張る事に関しては「相欠き打ち付け接ぎについて」
に少し詳しく書
いて有りますので参照してください。
次は図の様に10〜15ミリ程度の一枚の薄板から木取りして単純に木表同
士を合わせて接着し、念のためにアクセントも兼ねて紫四角の様に込み栓
を打ち、さらに込栓にも楔を打ちます。これで板同士が抑えあって一枚板に
比べればかなり動きは抑える事が出来ますので、このままで十分実用にな
ります。この込栓は家具を一生物と考えるのであれば、接着だけでは心も
とないので、必要だと思いますが、うっとうしければビスで留めダボ埋めする
など、色々工夫してください。
見栄えを最優先して木裏同士を合わせて接着する事も出来ますが、その場
合には込み栓の位置を変える必要が有ると思いますので考えてみてください。
理から行けば前者だと思いますが、その辺りは自分なりの考えで判断してく
ださい。
この構造では木口、木端に接着ラインが出ますし、木端では使う木により削
る向きが逆になったりしますので注意が必要です。また、框組みに比べると
板幅の伸縮がそのまま出ますので本体との寸法取りは注意が必要です。
見えがかり側は紺点線の様に取っ手を兼ねて板を当てるのも良いでしょう。
ここでも少しが
んばって橙丸部分を留めにしておけば、見栄え良く仕上がり
ます。ここはダボ接ぎ程度でも十分だと思いますが、雇ざねにしておけば万
全です。
この仕上がりも普段着的な雰囲気になりますので、カントリー家具タイプに
合うでしょう。また、この作りは反り止め不要になりますし枠が有りませんの
で、その特長を生かせる所も有ると思います。
大きな物、特に幅広には板幅の伸縮がそのまま出ますし、多少の反り
が出
ますので少し無理が有りますが、なるべく薄く作り、普通のキャビネット
の扉
として活用すればシンプルな家具に仕上がると思います。他にもちょっ
とした
BOXの蓋にも活用出来るでしょう。
「その他のホゾ、構造について 10」で
続きを書いていきます。
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