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相欠き打ち付け接ぎについて 2001.10.25記 
             Informationの「キャビネットについて」で
少し書きましたように、底板、裏板 
などは殆ど相欠き打ち付け接ぎ(これも私が勝手に付けた名前です。)で作ります。 
底板、裏板などはいろいろな作り方が有りますので、家具だけや見栄えを 
重視すれば別の作り方も良いと思いますが、材料の有効利用、構造の単 
純化、長年使った場合の補修など総合的に考えて、相欠きの打ち付け接ぎ 
ぎがベストではないかと考えています。 
       相欠き打ち付け
接ぎは、昔から板張りに良く使われるスタンダードな工 
法で応用範囲が広いですからぜひチャレンジしてマスターしてください。 
図の様に底板、裏板などを張る所に切欠きを作り、そこに相欠した薄板 
を板の膨張、収縮を考えて僅かな隙間を開けて並べ、釘打ちするだけの 
簡単な工法ですが、面で支えることに成りますので本体強度はかなり上 
がります。ただし手数は結構かかります。 
私の場合は板厚10ミリ、切欠き10×10ミリを標準にして、状況により 
適宜変えています。 
切欠きは板を張る各部材にルーターで加工しておきます。 
板の木取りはなるべく端材を使うようにします。また厚めの端材が有ればバンドソーなどで引き割り使うようにしま 
す。板の巾は揃っているのもスッキリして良いですが、捨てる部分が多くなりますので、100ミリ程度を最大として 
各板バラバラで構いませんので有効に木取ります。各板バラバラでもうまく並べてやると味が出てなかなか良い雰 
囲気になり、私はこちらのほうが好みです。 
板を張る巾が仮に1000ミリであれば二割り増しの1200ミリ程度は必要になります。これは板巾の平行を出す時 
と、相欠きにより有効巾が目減りしますので多めに揃えます。 
まず全ての板の厚さは10ミリですが、現合で0.2ミリほど厚めに揃えます。次に各板の巾を平行にして、後は長さを 
現合で揃えます。次に板を張るところに天地を揃えて釘打ちする面を必ず木裏にして、キャビネット内部の底板は 
木裏が、裏板は木表が出るようにしてランダムにバランスよく並べていきます。 
後は順に5×5ミリの切欠きをルーターなどで加工していきますが、当然初めの一枚は片側のみ釘うち面の切欠き 
となり、最後の一枚は逆の切欠きで終わります。 
最後は一枚ずつ本体きり欠きの深さに合わせて仕上げ削りをして、板の 
加工は終了です。 
次に板を張っていきます。釘を打つ位置はケビキで5.5ミリの所に軽く軽く 
釘打ち線を付けます。接着剤の塗布はどちらでも構いませんので、自分 
なりの考えで判断してください。私の場合、薄めにした物をほんの少し付 
け ています。 
端から順に打ち付けていきますが、この時に板の膨張、収縮の逃げに 
隙
間を0.4ミリ程度空けますが、私は牛乳パックの両面にセロハンテープ 
を
張り写真の様にして釘打ちして行きます。この隙間は使う木や、板目、 
正
目で変わりますし、それ以上に気象状況の影響が大きく、最悪の場合 
ホ
ゾを抜いてしまうことも有りますので、そのあたりの関係はいろいろ試 
して
みてください。 
釘は小鋲として出ている一番細い物で20ミリ以上の物を、一枚あたり4本 
で十分です。釘の位置が小口に近いので、釘により割れ、ササクレが出 
たりすることが有りますので、状況により必要ならキリで軽く下穴を開け 
ておきます。また釘は細いので年輪に負けて釘先が飛びでしたり、少し 
でも強度を上げるために、垂直ではなく、気持ち外側に四方転びに打ち、 
頭は板の面より気持ち下げるように最後は釘締めを使います。最後の 
一枚はなかなか平衡が出ていないと思いますので、現合で慎重に調整し 
て打ち付け、終了です。この相欠き打ち付け継ぎは奥行きのある棚板、幅広の扉、奥行きのある 
ワードローブの側面など、まだまだ他にも薄板の幅広の板が必要な所に 
は活用できますし、軽量化に繋がりますのでぜひ試してみてください。 
 
  
  
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