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その他のホゾ、構造について 10 2002.4.13記
次は色々な所で良く使われる方法だと思いますが、図の様に木目がぐ
るりと輪に成る様に、全て留めで組み立てます。独特の雰囲気が有り、ラ
イティングデスクやライティングビューロー等にはマッチするのではないか
と思います。
この構造では縦横共に伸縮が出ますので本体との寸法取りは注意が必
要です。また扉の変化としては、四辺は額縁と考えて良いので動きません
が、使う木の材質や木取りにより面全体が少し凹凸に変化する可能性が
有りますので、本体や扉受け
の構造を考える場合には不都合が出ない様
に、その辺りの事も十分考慮
する必要が有ります。
これらの事から、材料の調達が少し大変になるかもしれませんが柾目で
作っておけば見た目としては少し地味になりますが、縦横の伸縮や面全体
の凹凸の変化をかなり抑える事が出来ますし、図の黄丸部分の外笑いも
起きにくくなりますから、好みの問題も有りますので総合的に考えて決めて
ください。
今まで書いて来ませんでしたが、ライティングデスクやライティングビューロ
ー等の扉は裏表使いますので、どちらを裏表にするかは決まりがあるわけ
ではないので、仕様や好み考えが有りますのでケースバイケースで決めて
いく事になると思います。
木取りとしては木目や伸縮を考えて、はなるべく一枚の板から取るように
したい所です。寸法は縦横とも数ミリ大きく組み上がる寸法にしておき、最
後に本体と現合調整する様にします。
この場合だけでなく、このタイプの組み立てでは全般、図の黄丸部分はど
うしても綺麗に仕上がりにくいので、切りしろを多めに見ておいた方が良い
でしょう。
取り方としては図の様に木取れば良いでしょう。
全て雇ざねで組
み立てていきますが、図の黄丸部分の四隅は少しでも外
笑いになりにくい
様に、通しにしておいた方が良いでしょう。
組み立てとしては単純な物ですが、この手の作業は一度に組み立てるとこ
れがなかな
か難しく、一か八か的なところが有りますので、分けて組み立て
ていく方が無難でし
ょう。手順としては、初めに水緑の部材を雇ざねで接着
します。
次に白の部材を現合で確認して最終調整しますが、ここはピッタリでも問題
無いのですが、出来ればここでも黄丸部分の四隅は少しでも外笑いになり
にくい様に、本当に気持ち内笑いに調整しておけば万全です。
次に白の部材を雇ざねで接着しますが、水緑の部材を接着後この作業ま
で半日以上は時間を取った方が良いでしょう。これは気持ち内笑いに調整
して有る場合等では特にですが、接着後クランプで強く締めた場合に赤丸
部分がすいてくる可能性が有るためです。この時に念のため青矢印部分を
再度クランプで締めておくのも良いでしょう。
後は目違いをカンナで取っていきますが、ここでもカンナにこだわらずアクシ
ョンランダムサンダー等が有れば活用しましょう。楽に早く出来ると思います。
また、この作りも前項最後の物と同じ様に、反り止め不要になりますし、枠が
有りませんの
で、その特長を生かせる所も有ると思います。
大きな物、特に幅広では同じ様に板幅の伸縮がそのまま出ますので少し無
理が有りますが、なるべく薄く作り、普通のキャビネット
の扉として活用すれ
ば一味違った雰囲気の家具に仕上がると思います。また、こちらは反りが出
ませんので引き戸でも活用できます。もちろん他にもちょっ
としたBOXの蓋に
も活用出来るでしょう。
「その他のホゾ、構造について 11」で
続きを書いていきます。
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