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その他のホゾ、構造について 4 2001.11.20記

 天モールディング(支輪)は装飾のためだけの飾りと考えて良いと思い
ますが、家具のデザインや置く場所などにより、やはり無いと物足りない
事や少し見栄えを重視したり主張が欲しい家具も有りますので、それなり
の効果を得る事が出来ます。
また普通天モールは目線よりの高い所に付ける事になりますので、その
様な家具は当然大型になり留め接ぎなども、額縁などとは違った難しさが
有り良い経験にもなりますので、少し大掛かりになりますが天モールの付
いた家具に挑戦してみませんか!

天モールも色々な構造やスタイルを考えることが出来ますし、天モールの
性質上このデザインで家具の雰囲気を随分変える事が出来ます。これも
好みの問題ですが、 実用的な家具ではあまり派手な物は似合いませんの
で、さりげないシンプ ルな物が合うのではないかと思います。
一つの例として写真の様になります。
構造としては、板をはり木口、木端を面取りする簡単な方法も有りますが
見栄えや家具の軽量化を考えると、基本的には図の様に四角の枠組みと
し、後ろは一番単純な平ホゾで組み、両前は見栄えから留め接ぎにします。
留め接ぎはピッタリに越したことは無いのですが、外すき(外笑い)だけは
避けたいので、気持ち内すき(内笑い)気味に調整して組み立て時にクラン
プで密着させる様にすれば見栄え良く仕上がります。
これは額縁など留め接ぎ全般に付いても当てはまると思いますので、この
発想で加工していけば良いと思います。

天モールの高さや張り出し寸法は、家具全体のバランスから決めて行く事
になりますが、張り出しが大きい場合には点線のように、留め部分に雇
ざねを入れます。この雇ざねは通しで入れるのも面白いと思います。
また高さ寸法の大きい場合には、点線の様に補強の部材を一本追加し
ホゾ組みし、矢印の様に前天モールを内側より木ネジで止めます。この
時の留め部分は突き付けでまず問題無いと思いますが、念のために雇ざ
ねを入れるのも良いでしょう。先ほどの写真の物は突き付けです。
丸部分の補強の部材と留め部分は、黄点線の様に、前に出ない様にピ
ッタリか気持ち下げ気味に仮組みして調整します。
前天モールの留め加工は、左右と前後の貫を組み立ててから現合で確認
しながら調整します。

モールディングについては組み立てだけ考えれば、当然何も加工していな
い状態が組み立てやすいのですが、モールディングの形状や加工方法など
により、先に加工しなければならない所、先に加工してあると組み立てが上
手くいかない事など、色々な状況が出てきますので、デザインしたモールデ
ィングにより加工方法、加工手順など良く考えて作業を進めます。
モールディング加工はルーター、トリマ、昇降版、カンナ、サンダー、ノミなど
それぞれは単純でも組み合わせればかなり複雑な物まで加工できますので、
自分の好みのデザインを色々試して見てください。
組み立て時の締め付けは、留めクランプなども有りますが、額縁などとは形
状が違いますので、なかなかそのまま使い辛い事が多いので、普通のクラ
ンプで井桁に組むのが無難ではないかと思います。
写真は高さの低い一番単純な天モールで張り出しが大きいので雇ざねを入
れた物をクランプで締めている所ですが、ここでは雇ざねを入れているので、
ずれ防止の意味も含め留め先部分を上下からもFクランプで締めています。
後は組み立て後のモールディングや目違い払いをして、天モールの完成です。

天モールの取り付けは、框組みの本体へは接着剤を付け単純に上から木
ネジで止めるだけですが、板組みの本体へは板の向きが縦横違いますので、
前天モー ル部のみ接着剤を付け、残り三面は木ネジで止めるだけにします。
この三面の木ネジの穴は図の様にして、木が動いても対応できる様にします。
少し分かり辛いですがショールーム写真の奥に有る食器棚の天モールは板
組みの本体に取り付けた物です。

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