ボール磐テーブルについて 2001.9,24記
木工の穴あけ作業は、電気ドリル、ハンドドリルやギムネで十分いけ
るのですが、作業性、精度を考えると、やはりボール磐が一台欲しい
ところです。電気ドリルとドリルスタンドで、簡単なボール磐になりますが、
チャックからの奥行き寸法やストロークが大きく取れないので、応用範
囲が狭いですから、アマチュアの方でも予算が許せば一台揃えたいとこ
ろです。
ボール磐は金属加工が前提で作られていますので、テーブルが狭いで
すからこのままでは使いずらいです。 小物を作られる方は問題ないで
すが、家具を作るには、別のテーブルを付けて広くしてやらなけば不便
です。写真の物は自作した物ですが、椅子などは角度の付いた穴あけ
が多いですから、その機能を持たせた物です。材料は21ミリのシナラン
バー合板でテーブル寸法は450×620です。テーブル寸法は、使うボール
盤や作る物により変わってくると思いますが、穴あけ精度に影響してき
ますので直角の出たキリのいい同寸法の板二枚で作ります。構造はい
たって簡単で、テーブル二枚を取り付けボルトの逃げの分、浮かせて丁
番でつなぎ付属のテーブルにボルトで取り付けるだけです。蝶番の取
り付けも穴あけ精度に影響してきますので、閉じた時に、二枚の板が
ピタリと合うように慎重に取り付けてください。
テーブルの角度設定は、レベルゲージをつかいます。
レベルゲージをテーブルの上において、テーブルを持ち上げて指定の角
度で両サイドに有るナットで固定します。テーブル固定と、角度固定のボ
ルトとナットは蝶ボルト、蝶ナットを使ってください、使い勝手が違います。
レベルゲージは、デジタル、アナログ共にいろいろ精度の良いものが出
ていますから、好みのものを見つけてください。
角度設定は、場合(設計の都合)によっては、角度ではなくて、勾配(何ミリ
か行っところで、何ミリか上がる)で出す場合がありますが、このときはテーブ
ル寸法が分かっていますから、持ち上げ側の端でテーブル面より、いく
ら上げるかスケールで計り、同様に固定します。それから、テーブルの
丁番側の端に、角度を付けた時の滑り止めと、基準面の意味で角材を
取り付けておきます。これは基準面に成りますので、テーブルを持ち上
げる方向に対して直角に直線の出た角材を慎重に取り付けてください。
これも、目的の穴あけ角度の精度に影響します。
写真のものは、基準面の真ん中がありませんが、これは四方転びの座板
などの穴をあける時の逃げです。自分の仕事に合った仕様で、考えてみ
てください。四方転びなどは、このテーブルの設定角度に、もう一つ角度
が出てきますが、これは、この角度の出たテーブルの上にもう一つ角度用
の冶具を置くか、基準面に対して必要な角度を持たせて材料を置けば対処できます。また、作業内容によっては、逆
に傾けたい場合も出てきますので、写真のように逆向きに取り付けて作業する事ができます。傾け角度は最大30度
くらいまでです。これ以上は、ドリル刃の問題も絡んできますし、この方法では危険です。
市販では、見かけたことが無いので、木工家の方は同様の物を各自作られていると思います。アマチュアの方で、椅
子をよく作られる方、特にウインザーチェアタイプの椅子を作られる方は、独自のアイデアを盛り込んで、ぜひChallenge
してみてください。なかなか良く働いてくれます。