Challenge 2
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ホゾについて 63 2003.8.28記
次に上の図のように、額縁などでよく使われる留め接ぎについて書いてい
くことにしますが、部材の木口を斜めに切り落とし、木口同士を接ぐもので
す。
額縁についてはひとまず横に置いておきまして、白丸部分の一箇所だけ
の接合についてみていきますと下の図のようになりますが、基本的には接
ぐ板同士を縦横同じ寸法にして接ぎますので、当然接ぐ板同士は木口を
45度に切断することになり、部材同士を直角に接いで組み上げることが
できます。
こうした留め接ぎも色々な方法がありますが、木の木口だけは他の板目
柾目や木端面と違い、繊維を切った面ですから視覚的に異質で、塗装な
どの仕上げに対しても仕上がりが変わりますので、あまり見栄えの良い面
とは言えないでしょう。
無垢のテーブルの天板(甲板)などのように、一つの大きい木の塊として扱
った場合は、木には木口が有ってこそ自然で、無垢の存在感と素晴らしさ
を感
じさせてくれるものですから、無垢の木としての木口も年輪と相まって
それなりに魅力的なものですが、ある程度細かい部材にして家具を組み上
げていくような場合には、なるべく木口を見せないように組んでいくことが多
くなります。
そうした意味から留め接ぎは、斜めに落とした木口同士を突き合わせて継
ぎますから、木口が隠れてしまいますので見栄え良く組み上がります。
ただ一般的な平ホゾ接ぎに比べ
てどうしても接合強度が落ちますので、非
常に強度を必要とするようなところには不向きですから、ある程度見てくれ
を重視したところでの活用を考えていくもので、額などはその典型的なもの
の一つでしょう。
また前にこの Challenge 2 のホゾについて 27〜31 辺りに剣留めホゾ接ぎ、
面腰平ホゾ接ぎ、被せ面ホゾ接ぎ(馬乗りホゾ接ぎ)とかで書いていますよ
うに、緑矢印のように45度に接合面が出来る場合は連続した面取りをする
ことができますので、下の図でイ
メージできると思いますが、四面全てで自
由な面取りが可能になります。
また額縁などではかなり複雑な面取りを見ることもあると思いますし、点線
の断面の形も自由に変えることが出来ます。
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