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ホゾについて 55 2003.4.27記

前に36項で上図のような欠き込み三枚接ぎについて書きましたが、相欠き
接ぎは二段目の図のようになります。もう想像が付くと思いますが、相欠き
接ぎは上図の欠き込み三枚接ぎを二点差線のように半分に割った形と捉
えることができます。(相欠き部分は一寸無視しますが・・・)

またこの半分に割ったものを外内逆に合わせれば、三段目の図のような
両胴付き通し平ホゾ接ぎになりますので、当然逆に捉えれば両胴付き通し
平ホゾ接ぎを、二点差栓で半分に割ったものを外内逆に合わせれば、上図
のような欠き込み三枚接ぎになる分けですし、この両胴付き通し平ホゾ接ぎ
を二点差線のように半分に割っ形が二段目の相欠き次と捉えることもでき
ます。
三段目の両胴付き通し平ホゾ接ぎで、矢印方向に対して更に強固な接
合が必要な場合を考えれば、追い入れ状態を作るのが一番ですから、両
外に相欠き接ぎを配して、相欠き部分を追加すれば先に38項で書きました
欠き込みホゾ付き三枚接ぎになります。
ホゾをこんな捉え方をして見るのも面白いのではないかと思います。

そこで二段目の相欠き接ぎ の状態をもっと強固の接合しようと思えば、三段
目の両胴付き通し平ホゾ接ぎを組み合 わせますと、四段目のように相欠き
接ぎに平ホゾを付け加えた形になります。
これはホゾ穴側の部材を横にしてホゾ側を上から挿す状態で使えば、抱か
せ欠き通し内ホゾ接ぎと言いますし、ホゾ穴側の部材を縦にしてホゾ側を水
平に横から挿す状態で使えば被せ通し内ホゾ接ぎになりますので、これま
た厄介なことです。
矢印の相欠き部分は、当然面一でも代違いでもできますし、点線のよ
うに止めにすることもできます。勿論通しホゾも止めホゾにそることもできま
すので、その場合は抱かせ欠き内ホゾ接ぎ、被せ内ホゾ接ぎになります。
また点線のように相欠き部分を蟻形で挿すこともできますし、こちらも面一
でも代違いでも自在ですし、角度を付けたホゾにすることも出来ます。
形からいけば相欠き部分を代違いにして、イスのフットレストなどの接合や
アームと脚の接合に向いているのではないかと思いますし、まだ他にも色々
なところで活用できる非常に応用範囲の広い接合でしょう。


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