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Challenge 2
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ホゾについて 56 2003.4.28記
先の49項で書きました相欠き接ぎは、上図のように二本の部材同士をク
ロスさせる接合ですが、
三本の部材を同じ状態に組み上げる方法を見て
いきますと、誰が考えても一番単純には二段目の図のように両側から両
胴付き平ホゾ接ぎ(図の状態では上下に胴付がきますので、厳密に言え
ば肩ですから両肩付きになりますが、勿論二方胴付きでも構いません。)
でホゾを利かせて組めば良いことになります。
ただ茶矢印部分を見栄え良く仕上げる必要があれば、空点線のように左
右にも胴付を設けて四方胴付きホゾとして組むことになります。ただこうし
たホゾ接合の場合は黄矢印寸法がある程度確保できませんと、ホゾが短
くなりますからホゾの利きが弱くなりますので、あまり黄矢印寸法の小さい
ものには不向きです。そうした場合にはやはり相欠き接ぎなどで考えてい
くことが自然でしょう。
どちらにしましてもこの場合はホゾの長さが半割になりますので、ホゾの利
きが弱くなる傾向にあります。そこで少しでもホゾを長くすることを考えれば、
三段目の図のようにホゾを縦に半割りして、ほぼ通しホゾとして組めば良い
こと
になります。ホゾ部材の寸法仕様にもよりますが、この場合は逆にホゾ
が細くなり物理的強度が落ちますので、それを防ぐためには多少ホゾは短
くなりますが点線のように小根を付けておきます。
組み付けにおいては、お互いのホゾ同士がホゾを利かせ合うように嵌め合
い調整しますから、それぞれホゾであり楔であることになります。この例では
ホゾ先を縦に半割りしていますが、寸法的に余裕があればホゾを凹凸の三
枚接ぎのようにしたりすることもできます。
やはり何と言ってもホゾの嵌め合いをしっかり利かせることがポイントですが、
先の24項で書きました、通し違いホゾ接ぎとか私が勝手に相欠き通しホゾ接
ぎと呼んでいる、同じところに他の二つの部材を直角に接合する場合は、同
じところに接合しますが普通は二度に分けて接合する場合が殆どですが、こ
の場合はお互いのホゾは楔でも有りますので当然必ず一度の組み立てにな
ります。
一つの例として、下図の棚板のようなところに柱を通しで組んだ状態にしたい
場合などにも利用できますが、三段目の図のようにホゾを反割りした仕様で
はホゾを利かせるために、どうしても上下の部材がずれる可能性が高くなりま
すので、組み立て精度が必要な場合には、なるべく凹凸の三枚接ぎのような
左右対称にしたいところです。
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