Challenge 2
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ホゾについて 53 2003.4.25記
平掛け相欠き接ぎも当然両部材の緑矢印寸法を異寸にして、二段目の図
のようにのよう
に代違いに組むこともできます。これなどは黄矢印の部材を
引き出しのつ
り桟にも活用できますし、フレーム組み立て後につり桟を取り
付ける仕様に
することもできます。また青矢印部分に木ネジを併用して補
強することもで
きますし、込み栓を打つこともできます。勿論仕様により込み
栓ホゾで別の
部材を立てることもできます。
紫矢印方向への強度を上げようと思えば、赤点線のように片側を切り欠く
ことで先の欠き込み相欠き接ぎと同じ状態にしてやればよいことになります。
基本的には通しで接合しますが、必要であれば空点線のように止めて接合
することもできます。当然その上の部材は切り欠きを止めにします。
二段目の右図は桃矢印方向から見たところの図になりますが、こうした胴
付き面を設けたような仕様にすることもできます。これは差し込む部材が大
きくて切り欠きを大きくしたくない場合や、位置だけ決めたい場合などに有
効ですし、灰矢印寸法の精度が必要な場合には、相欠きでは両部材の欠
き取り加工精度が影響してきますので、結構こうした部分の精度を出しにく
いものですが、胴付き面を設けることで加工に手間は増えますが、精度は
出し易くなります。勿論胴付き面が密着するように、切り欠き部分の嵌め合
いには注意する必要があります。
また差し込む部材が物理的に抜けないように、上図の白点線のように(寸法
的に図は少し変ですが)両部材を蟻形(テーパー状)に加工して差し込んでや
れば、三段目
の図の左側のようになり、紺矢印方向へは抜けなくなります。
勿論その右側
の図のように代違いにすることもできます。
今ではトリマやルーターの蟻溝ビットが有りますので、結構容易な加工ではな
いかと思います。ただ橙矢印部分のホゾ元は掘り残しができますのでノミで
修正処理します。また昇降盤などの軸傾斜とマイタゲージでの加工も利用で
きます。
この蟻形は物理的に抜けなくなりますし、形の性質上蟻を利かせる(ホゾを
利かせる)ことで部材同士が引き合いますので吸い付きと言ったりしますが、
その働きを利用して色々なところで使われています。
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