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ホゾについて 52 2003.4.24記

次に相欠き接ぎと同じですが片側を切り取った状態 、即ち T 字状態に接
合する場合を見ていきますが、上左図のように片側は相欠き接ぎと同じよ
うに欠き取り、 もう一方は右図のように片胴付き平ホゾ接ぎの形に加工し
ます。
この接合は平掛け相欠き接ぎと言いますが、 基本は矢印寸法は同じと
して均等に相欠きしますが、勿論矢印部分 は少し長めに加工しておき、
組み立て後に切り取って面一に仕上げます。
この接合も相欠き接ぎと同じようなことですから、同様にさまざまな応用が
利きます。またこの接合は、片胴付き平ホゾ接ぎのホゾ穴を開放型にした
ものと考えることも出来ます。ホゾ穴は通常角ノミで穴あけしますからホゾ
穴面が荒れますが、ホゾ穴ですからホゾをしっかり利かせることができます
ので、しっかり接合強度が得られます。

一方こうした切り欠きの接合は開放型ですし追い入れ(大入れ)状態になり
ますから、前に書きましたように部材が反ってしまいますので、あまり嵌め
合いをきつくすることはできませんが、切り欠きの接合面同士は接着に有
利な滑らかな平面に加工できますので、思いのほか接着剤が効きますか
ら、見た目的には簡易な接合に感じますが、ホゾ穴と同等とは行きません
が見た目以上に強固な接合が得られます。
ただ当然矢印方向に対しては無理が利きませんので、それなりの使い方
をする必要がありますが、とにかくこうした切り欠きは位置が決まりますし、
ある程度本体を組み進めてからでも後から部材を組み付ける、ホゾ穴接合
には無いような使い方の利点がありますので、箱物などでは活用できるとこ
ろが多いと思います。

相欠き次などでも、ある程度組み進めてからでも部材を組み付けることはで
きますが、当然形の性質上一方向からしか嵌め合わせることはできません
が、この平掛け相欠き接ぎは二方向から嵌め合わせることができますので、
かなり自由度が上がります。これがこの接ぎの一番の利点ではないかと思
います。また見栄え的にあまり外に出すような接合ではないと思いますが、
箱物内部で縁の下の力持ち的な部分に適しているように感じます。


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