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ホゾについて 32 2003.4.4記

地獄ホゾの楔が出たついでに、通しホゾと楔について 多少製作的なこと
になってしまいますが、また少し詳しく書いていきます。
通しホゾは上右図のように少し長めに作ります。丸部分のホゾ先はど
んなホゾでもホゾ穴にスムーズに入るように矢印の図のようにホゾ先
(四面)に面を取りますが、これを入り面を取ると言います。

ホゾ先が長いまま楔を打ち込みますと二段目の図のように、楔はテーパ
ーですから当然矢印のホゾ先端部分から、ホゾが利き始めて打ち込む
ことになりますから、ホゾ穴に対してを深く打ち込みにくくなりますので、ホ
ゾ穴に対してホゾの利きが悪くなってしまいます。そのためにホゾ先は
点線のように、なるべく短く切り落として楔を打ち込むことになりますが、入
り面が取ってありますと、ホゾ先をぎりぎりに短く落としにくくなってしまいま
すので少し長めにホゾを作りますが、一般的には5〜10ミリ程度で良いと
思います。

楔を打ち込むには前項の地獄ホゾと同じように、何らかの方法でホゾ先に
上左図の線のように、楔を打ち込む案内の切り込みなどを入れる必要
が ありますが、部材の段階で切り込みを入れておくか、ホゾを挿してからホ
ゾ先を切り落としてノミなどで案内の溝を付けるかになります。
初めに切り込みを入れておけば組み立ては楽になりますが、当然ホゾを挿
してからノミで案内溝を付ける場合には組み立てが忙しくなります。
扱う木の軟堅により一般的に針葉樹はどちらでも構いませんが、広葉樹は
堅いので先に切込みを入れておいたほうが無難でしょう。切り込みは丸ノコ
やバンドソー、手挽きになりますが、丸ノコでは刃厚が有りますので切り込
み幅が広くなりますから、楔もそれぞれそれなりに対処した寸法に作ること
になります。

僅かなことですが軟材では少しでも機械的強度を落とさないためにも、切り
落とし部分が少なくなるように、バンドソーか手挽きが良いでしょう。そんな
意味から私の場合はベニマツを扱っていますので、組み立てが忙しくなりま
すが、切り落としの無いノミで案内の溝を付ける方法を取っています。また
強引に切込みを入れるよりも、なるべく木目に沿って自然に必要なところが
割れていく方が良いと思っていることもあります。


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