Challenge 2
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ホゾについて 31 2003.4.3記
後一つ上図のように中貫のような状態に組む場合を簡単に書いておきま
すが、前項まで書いたことで想像が付くと思いますが、ホゾ側は面腰平ホ
ゾ接ぎの両面を面取り寸法で45度に赤点線のように落とします。当然ホゾ
穴側はそれに合わせますので、緑点線のように台形に欠き取ることになり
ます。これは両面腰ホゾ接ぎになります。
一方被せ面ホゾ接ぎはもう分かると思いますが、何も変わりませんので後
は一点差線の面を取るだけです。
一つ注意しないといけないことは、普通茶矢印の縦框間が設計寸法(必要
寸法)になるはずですが、この両接ぎとも桃矢印の寸法分胴付き面が伸び
ることになりますので、ホゾ部材の長さを間違えないないように注意してくだ
さい。
次ぎに面白いホゾを一つ書いておきますが、名前から書きますと地獄ホゾ
接ぎと言います。ホゾとしては普通の平ホゾ接ぎですが、三段目の左図の
ようにホゾ先に黄線のように楔を差し込む切込みを入れておきます。
次ぎに組み立てていきますが、黄線の切り込みに楔をはめ込んで紫矢印
のようにホゾ穴に打ち込みます。
こうすることでホゾを打ち込んだ時に、ホゾ穴の底がストッパーになりホゾ
は楔で押し広げられて、ホゾが利
いた状態になり抜けにくくなります。勿論
楔の数は適宜変えますが、ホゾ穴
の深さとホゾの長さ、楔の寸法関係を、
扱う木やホゾの仕様によりホゾの
利き、利かせ方を良く把握しておきません
と、楔やホゾが折れてしまったり
楔の利きが悪くなったり、逆にホゾが入ら
なくなったりしてしまいます。
通しホゾのようにホゾを外に出さずに、なるべく強固な接合をしたい場合な
どには有効です。
この地獄ホゾ接ぎをさらに抜けにくくするために、
三段目の右図のホゾ穴を
空点線のように先広の蟻形に加工します。当然こうすることでホゾが蟻形の
先広に広がりますのでますます抜けにくくなります。これを地獄蟻ホゾ接ぎ
と言います。
地獄の名前から行いけば、本来は地獄蟻ホゾ接ぎになると思います。ここ
では平ホゾの例で書いていますが、これは丸ホゾ(丸棒)でも構いません。
特にイス(ウインザーチェア)などでは丸ホゾなどは活用しやすいところも多
いのではないかと思いますし、丸ホゾでは先広の蟻形(円錐)加工は難しい
ところが有りますので、あえて分けて書いています。
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