Challenge 2
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構造について 190 2005.12.24追記
前項で書きましたようなことから、現実にはなるべく少ない接ぎで作る方向で
考えていくことになりますので、もうお分かりになると思いますが、二段目の
図のように二枚を留めで接いでやれば大きな目切れもなく特別に弱い部分
もなく笠木を切り出すことができます。またこの図からも分かると思いますが、
笠木全体の強度を考えた時には笠木の仕様は円弧で切り出すことで一番均
質な状態で仕上がることになります。
勿論第一に考えることは笠木は背もたれですから、まず座り心地(当たり)を
考えていくことになりますが、前にイスのところで書きましたように、上半身の
断面を考えた時に体は円弧ではありませんが、背もたれの仕様としては色々
なことを考え合わせて私としては円弧が最適ではないかと考えています。また
初めに書いていますようにこうした笠木と座面の位置関係を考えた時には円
弧では湾曲が大きく(小さいR)なりうまく収めにくいことも出て来ますので、そ
の辺りはうまく収まるように円弧の拘ることなく総合的に考えて自分なりに思
案していくことになります。
円弧の径はイスですから有る程度の範囲に限られてしまいますから、基本的
には留め接ぎで青矢印と緑矢印の寸法を変化させればおおよその笠木仕様
に対処できるのではないかと思います。
実際に加工を考えた時には、留め接ぎが加工組み立て共に色々な意味で作
業性が良いのではないかと思います。また接ぎ部分の強度を考えた時には、
留め以上に鋭角にしますと目切れが大きくなってしまいます。勿論留めより鈍
角にする場合であれば接ぎ部分の目切れは小さくなる方向ですが、緑寸法が
大きくなりアーム部分の目切れが大きくなってしまいますので、総合的に考え
れば留めになるのではないかと思います。
ただこれも有る程度の範囲の笠木仕様においてであり、下の図のように一枚
板から
何とか笠木を切り出すことが出来る程度笠木仕様では、鈍角に接いで
やれば歩留まりを稼ぐことができますから、この辺りは人それぞれ色々な条件
の違いや考え方が有りますので、ケースバイケースで自分にとって最適と思わ
れる仕様を総合的に考えて決めていくことに成ります。
要するに留めと書きますと角度を90度と限定して考えてしまいそうですが、笠木
の仕様により強度や歩留まりからそれぞれ最適角度があるはずですから、原
寸図を書いて留め角度を決めていくことになります。
唯一ついえることは、下の図のように一枚板から切り出す場合は自然に左右
シンメトリーになり、木目は一番均質な状態が得られますが、寄木で作る場合
は接ぐ板それぞれがなるべくこのシンメトリーな状態に近付くように考えていけ
ば、極端に強度の劣る部分も無く何かとうまくまとまりやすいでしょう。
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