Challenge 2
<< 前へ 次へ >>
構造について 189 2005.12.22追記
どちらにしましても図のように笠木(背板)を平ホゾで組む構造の場合には
矢印部分は有る程度の角度までにしておきませんと、胴付き面が四面綺
麗に密着しなくなったり、矢印部分を綺麗に密着させにくくなる可能性が高
くなりますし、加工や組み立て中に矢印部分を欠かしてしまいやすくなって
しまいます。
言うまでもないことですが、こうした平ホゾの加工では初めに部材として切
り出した板の状態が一番基準面が多く狂いもなくホゾ加工が容易ですが、
前項の最後で書きました段階的な加工で木の狂いを出し切らせてしまう作
業の進め方では、初めにホゾ加工をしておくわけにはいきませんからこの
ホゾ加工がしにくくなりますので、ホゾ加工を工夫するなりイス全体の構造
を含めて笠木の接合方法自体を工夫してください。
毎度ですが一つのことが全体に影響を及ぼしますから、自然に色々なこと
を考え合わせて総合的に考えていく癖を付けてください。ついでにまたくど
く書いてしまいますが、このHPに書いていることはあくまで私の捉え方考え
方やり方ですし、それ以外にも色々な方が色々な情報を提供してくれてい
ると思いますが、そうした話や読んだ情報を鵜呑みにしないで、どんなこと
でも自分なりに納得できるまで追求して、自分なりの捉え方考え方やり方を
確立してください。そうすればこんなHPなども無用の長物になります。ただ
自分で納得したことが正しいと頑固に思い込まないように、絶対的な正しさ
とは自然の理にかなっているかどうかですから、人からではなく自然から各
自が学ぶしかないと思いますしその理解度が自分の実力ですから、たえず
色々なことを柔軟謙虚に取り込めるようにしていたいものです。
・・・とまた変なことを書いていますがこれも私の考え方ですから・・・
また
余分な無駄話を書いて道草をしてしまいましたので笠木に話を戻しまし
て、
二段目の図のようにアーム部分が少し長くなって腕を置くことができる
笠木を作ることを考えますと、白丸部分は強度が持ちませんので一枚板か
らの切り出しでは作ることが無理になります。当然この部分の強度を上げて
やるには青矢印方向に部材の繊維を走らせてやれば良いことになりますの
で、初めに書いていますように曲げ木やラミネート構造で笠木を作ってしまえ
ば、強度としては一番理想的な状態になります。
そこで削り出しで笠木を作ろうとすれば、当然寄木で擬似的にこうした繊維
状態を作り出しておいてから削り出すことになります。繊維を理想的に走ら
せることだけ考えれば下の図のように折れ線でいくつも木口を接いで笠木
の形に寄木で作り出せばよい訳ですが、手間も掛かりますしイス程度の部
材寸法では木口接ぎはホゾを利かせて強固に継ぐことは出来ませんし、完
全に繊維を断ち切ったものをいくつも接ぐことになりますので、逆に笠木全
体では思ったより強度を得られませんから、必要最小限の寄木で作る方向
で考えていくべきでしょう。勿論視覚的なことからも接合箇所はなるべく少な
いほうがスッキリした印象を与えるのではないかと思います。
<<
前へ Page top 次へ
>>
|