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構造について 188 2005.12.20追記

編む素材が何にせよどんな編み方をするにせよ編み座は基本的には四
角く編むものですし、笠木は小さい円弧になりますので、双方の視覚的な
納まりもさることながら背座の座り心地の位置関係をよく見ていく必要が
あります。また笠木の本体との接合方法もイス全体の構造も含めてこの
位置関係から結構悩むところとなってきます。

では実際に笠木を作ることを見ていきますと、上の図は前にも載せた図
ですが一枚板から湾曲した笠木を切り出すところを表わしています。この
図程度でしたら笠木ですから歩留まりとしては悪いものになってしまいま
すが、木取りとしては板目であれば実用上まず支障が出ることはないでし
ょう。当然柾目の木取りでは丸部分が目切れで極端に強度が落ちてし
まいますから、不向きなことはお分かりのことと思います。
また話が横道にそれますが、図のような笠木(背板)で平ホゾを設けて組
む場合には二段目の図のようになりますが、当然湾曲が大きく(小さいR)
なればなるほど矢印部分は鋭角になってしまいますので、有る程度の湾曲
以上になるようであれば、接合方法なり全体の構造を含めて工夫が必要
になります。
こうしたところもイスでは後脚間を絞ることで、笠木の幅寸法を小さくして矢
印部分の角度を抑えることになり、他のこととも考え合わせれば少しでも笠
木の湾曲を小さくしたい場合には有効な方法であることがよく分かると思い
ます。
ただ丸部分の機械的強度としては、どうしても落ちてしまうのは致し方の
ないことですから板厚を有る程度見ておく必要がありますし、こうした一枚
板から大胆に笠木を切り出す場合には、切り出すことで木が動いてしまい
反り捩じれが出たりして点線の胴付き面の平衡などが狂ってしまうことも
起きてきます。相手は木ですから多少の動きは避けられませんし、有る程
度の狂いは対処吸収できますが、なるべく素直で良く目の通った狂いにくい
板を選別しておく配慮も必要です。

笠木では切り出しが大胆ですから、切り出すごとに木のバランスが狂い動
いてしまいやすいですから、こうした場合に限らず有る程度大雑把に切り出
して、ある程度の養生期間を設けて木の動きをを出し切らせてしまいながら、
加工を進めていく方法も有ります。場合によっては段階的に何度もこれを繰
り返していくことも必要になってきますが、扱う木やその状態や笠木の仕様
などによりケースバイケースで自分なりに工夫対処してください。


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