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構造について 182 2005.12.8追記 
何度も書いていますように、本体構造としては板組みでも框組みでも単純 
に5面を作り出すだけですから単純な構造になりますが、逆に箪笥のよう 
に桟などの面と面を結ぶ補強構造がありませんので、全体の捩れやたわ 
みなどが出易くなりますので、そうしたことの対する基本構造、部材寸法や 
ホゾ仕様な
どを良く考える必要がありますし、部材加工や組み立てにおい 
てもそうしたことを意識して作業を進める必要があります。 
 
こうしたことは下の写真のようなワードローブなどでも同じことで、寸法は 
(W)900×(H)1800×(D)600ミリですが、扉を開ければ本体内部はハンガ 
ーパイプが付くだけですから、本体が大きくなることと相まってこうしたただ 
の箱は本体強度、剛性を上げにくくなります。 
 
これは前に書いていますので重複しますが、基本的に框構造で作る場合 
は、鏡板(幕板)は框部材に溝を掘って接着せずに嵌め込むことになりま 
すが、この場合に鏡板自体は面を構成するだけで框自体を補強する効果 
はあまり大きくありませんから、本体強度は框構造だけで持たせることに 
なりますが、相欠き打ち付け接ぎで箱内側(裏板と天は箱外側)から幅狭 
の薄板を張るようにすれば、幕板は框の補強部材としての働きを併せ持っ 
てくれることになります。要するに框構造ではありますが、ツーバイフォー 
のようにパネルで各面を構成していると捕らえてよいことになります。 
 
下の写真のワードローブは、扉を含めて6面全てを相欠き打ち付け接ぎで 
構成しています。また上の写真のチェストは、前後面2面のみ相欠き打ち 
付け接ぎで構成し、両側と底の3面は溝を掘っての嵌め込み構造で作って 
います。 
框構造では前面の面が広くなりますが、上の写真で言えば横に細い二本 
の桟が走っている面はこの手の家具の顔になりますから、この面の処理 
をどうするかが大切になってきますので、上に書いたようなことや全体構 
造と合わせてデザインのしどころになります。また蓋を開けた時には四隅 
の柱(縦框)の木口が見えることになりますので、この部分の框のホゾ仕様 
や組み立てでは見栄えを良く考えておきたいところです。 
 
                                            
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