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構造について 180 2005.12.4追記

引き出し 包み打付け継ぎと取手  
 

話がまたあらぬ方向へ向かい始めてしまいましたので、初めの話の続き
に軌道修正しまして、同じ大きさの引き出しがいくつも並ぶ場合に、言うま
でもないことですが INSET の場合は結構厄介なもので、その性質上引き
出し口に対しての互換性はないと考えておいたほうが良いですから、引き
出しはそれぞれの引き出し口に対して、現物合わせで調整していきます
ので位置が決まってしまいますから、 前板を一枚の板から切り出した場
合などでは、引き出しの位置を間違えたりしないように注意して現合調整
してくださ い。
当然調整し終わった引き出 しには以後の扱いを考えれば、支障に出ない
範囲で見えやすいところに引き出し位置(番地)をマークしておいたほうが
前板の木目で分かるとはいえ親切でしょう。勿論木目がつながっていない
場合はなおさらです。

前項で触れましたように、 引き出し自体は前板と側板、向板を別の樹種を
使うことはよくあることです が、これは材料の有効利用、引き出しの軽量化
や引き出しの出し入れに なるべく支障が出ないようになど、色々な意味で
の選択がなされていると思 いますが、こうしたところも決まりはありませんの
で、各自の考え方捉え方 次第です。

吊り桟方式にしろ受け桟方式にしろ、引き出しは出し入れの快適さが非常
に重要ですから、一番擦れ合う部分の引き出しの側板と吊り桟及び受け桟
の部材は前に書いていますように、なるべく動き狂いなどが出ないように節
などのない木目の良く通った素直な木を選んで使います。
また擦れ合う部分が板目と柾目では摩擦抵抗の違いはどうかや、組み付け
る部材の順目、逆目、木表、木裏などの木の向きや、木の脂は滑りの邪魔
になりますので、脂の含み具合や脂の染み出し具合、また木の向きによる
脂の染み出し具合や、その木の向きによ部材強度や狂いの出具合なども
自分なりに考えながら木の選別、木取りをしていきます。
また少しでも引き出しの滑りをよくするために、擦れ合う部分には蝋やワッ
クスを塗ったり、オイルフィニッシュにしておいたりの処理は必要でしょう。

引き出しについてはこれで終わります。


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