Challenge 2
<< 前へ 次へ >>
構造について 179 2005.12.2追記
引き出しがいくつも縦横に並ぶ場合などでは、前板にわざと色違いや違う
樹種の木を使うこともありますが、極一般的には同種、同様の木を選別し
て、見た目や全体の雰囲気が揃うようにすると思いますが、長さにおいて
も幅においても大きい板がある場合は、一枚の板から前板を切り出して木
目がつながるように配置することで統一感が出てきます。これも良く用いら
れる木取り方法で、引き出しの前板ばかりでなく色々なところでこうした視
覚的効果を狙った木取り方法として活用できますので工夫して取り入れて
みてください。
少し話は違いますが、ブックマッチと言われる一枚の板を半割り(板厚方向)
して、それをそのまま本の見開きのように配して二枚の板の木目がシンメ
トリーになるように扱う方法も有
ります。
イスの背側や扉、テーブルの天板などでは用いられているものを見かける
こともあると思いますが、これなども扱いは違いますがある種同様の発想
と捉えてよいのではないかと思います。ただブックマッチでは当然一枚の板
を半割りした本の見開き状態ですから、その両板は木表と木裏が出ること
になります。
勿論これは一枚の板を必ず半割するという見方ばかりでなく、上の図は丸
太の年輪を表していますが、当たり前ですが丸太を矢印のように全てスラ
イス(製材)した場合において、隣り合った板同士は全てブックマッチとして
扱うことが出来ることになります。
ただ製材については詳しく知りませんが、柾目板がたくさん欲しいとか角材
が沢山欲しいとか、目的に合わせた色々な製材方法が有ると思いますし、
これもまたなかなか難しい奥の深い仕事ではないかと想像しますが、あくま
で家具の場合は色々なことを考え合わせますと、図のように丸太をただ単
純にスライスする製材も、結構向いた方法ではないかと思います。
勿論こうした見た目的なことからだけでなく、一つの家具を作る場合には可
能な限り同じ木、板から共木で部材をとるようにすれば、色目、雰囲気や木
の質、動きなど同じ傾向になりますので何かと好都合かと思います。
ただ引き出しでは前板と側板や向板は、場合によっては違う木を使うことも
あり、これは相反することですが、その辺りはケースバイケースで色々
な意
味が有りますので柔軟に捉えてください。
<<
前へ Page top 次へ
>>
|