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構造について 169 2005.11.12追記

前項の話の続きになりますが、幅広の引き出しでは底板が前板と同じ向
きのなりますので、溝に嵌め込 む場合でも下の図は前板断面とすれば、
丸部分の側板を溝に嵌め込んだ部分を接着剤で接着してしまう方法も
あります。これで前項で書きました前後に底板を渡して止めてしまった場
合と同様に、前板を矯正していることになります。

勿論この場合は底板の伸縮の逃げとして、向こう板(後)側に底板を嵌め
込む溝は接着はせずにおきますが、当然前板と底板は接着してしまって
いますので、底板の伸縮の逃げは丸部分の向こう板の溝部分で全てを
受けることになりますから、無垢の一枚板の底板では引き出しの奥行き寸
法によっては、膨張して向こう板を押し広げたり接合部分を壊してしまう可
能性も有りますし、縮んで溝から底板が木端が抜け手出てしまう可能性が
高くなりますので、溝を深くしておく必要があることから、向こう板の板厚を
厚くしておく場合も出てきます。

これを嫌う場合はこの向きに底板を張る場合でも、何枚にも分割した底板
を並べて矢印部分のように相欠きで逃げスペースを作り向こう板の溝部
分の負担を軽くしておくこともできます。勿論この場合は左右の側板の溝部
分は底板を小鋲で留めておくことになります。
グダグダ書いていますが、この辺りのことは色々な方法が考えられますの
で、臨機応変に自分なりに考えて対処してください。

ここでまた製作的なことを少し書きますが、引き出しの部材を完璧に加工で
きていても、引き出しに限らず組み立てにおいて狂いが出てしまうことはよく
あることですが、引き出しは動く部分ですし収まりとして目立つ部分ですから、
本体との関係も有りますので、相対と絶対のことを考えて注意点を良く確認
しながら組み立てを進めて行く必要があります。

特に引き出し全体に捩じれが大きく出てしまいますと厄介ですから、矢印
方向へのがたつきが出ないように、各段階で少しでも狂いが少なくなるよう
な自分なりの組み立て方を工夫してください。また底板を溝に嵌め込むだけ
の場合は矢印方向に引き出し本体は動きますので、前板を側板の角度を
スコヤで確認調整修正を各段階で怠らないようにしてください。
こうしたことが有りますので引き出しは僅かに大きめに作り修正代を設けて
おき、向こう板側を僅かに絞って台形にしておくことになります。
Challenge の「引き出し作り」も合わせて参考にしていただければと思います。


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