Challenge 2
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構造について 148 2005.6.9記
前項の続きになりますが、一般的に天板を一枚に仕上げてしまう場合は
木端から蟻溝を掘って反り止めの蟻棒を差し込みますので、最後に木端
に出た蟻溝は蟻溝に合わせた木片を挿し込んで埋めて隠す(隠し蟻)必
要がありますが、反り止めの蟻棒に両端から二分した天板を挿す構造の
場合には、天板の両外木端に蟻溝が出ませんから、蟻溝を埋める必要が
なくなりますし、見栄え的にも申し分無しですから一つの利点と考えて良い
でしょう。
勿論天板を一枚に仕上げてしまう場合でも、木端に蟻溝の出ない反り止め
部材を取り付ける方法も有りますが、非常に手間が掛かりますし、吸い付
き自体の機械的強度は木端から差し込んだ場合よりも劣りますので、そう
した方法を使う効果と価値と作るものバランスをよく考え合わせて選択して
いかなければなりませんが、その方法
についてはここでは触れないことにし
ます。
また木端から反り止め部材を差し込む場合において、一般的には片側から
両反り止め部材を差し込み見ますが、黄矢印のように両面より片側ずつ差
し込む方法もあります。これは天板に対しての条件をなるべく揃えることが
出来ることになりますが、当然脚部の構造も関係してきますのでこうした方
法も取り入れられないことも出てきますので、ケースバイケースで総合的に
考えて行きます。
写真のように天板を二分する場合は、天板を突き合わせたセンター部分を
基点として、両天板が伸縮してくれませんと突合せ部分の隙間が変化してし
まいますので、白丸部分で裏からビス止めして固定してしまいます。また嵌
め合い加減などにより、ビスだけでは動きを止め切れないことも起きてきま
すので、こ
の部分のみ接着剤を塗布しておいても良いでしょう。写真のテー
ブルでは更にトップ(表)で契りを入れて、物理的に天板突合せ間が動かな
いようにしていますが、勿論これは意匠的な効果もあります。契りと言えば
直ぐにジョージナカシマ氏を思い浮かべてしまい、トレードマークようなイメー
ジ
を持つ方もいるのではないかと思いますが、実際に世界の木工家にかなり
影響を与えたのでは・・・その扱いは参考になるとお思いますので、是非色々
調べてみてく
ださい。とにかく契りの扱いは色々な意味で本当に難しいもの
だと
思います。
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