Challenge 2
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構造について 128 2005.4.30記
先に書いていますように板の座面が滑ることについては、背の仕様は無
視して座面自体を水平仕様にしておくことが滑りにくくする一番簡単な方
法だと思いますが、当
然座面を掘り込んでしまうことでも、滑り止めの働
きをしてくれることになり ます。掘り込むことで当たりが柔らかく なります
ので、木の座面でイスを作る時には座り心地の改善方法として掘り込むこ
とが多いのではないかと思いますが、掘り込むことでお尻がホールドされ
ますので、腰を痛めている時には座り心地よりもホールドされる事の方に
より意味があるように感じます。
腰にコルセットを嵌めたりゴムベルトを巻いたりしますとある程度腰が楽に
なりましたが、イスにホールドされることもある種こうしたことに繋がるので
はないかと思います。座面の掘り込み形状についても色々有りますが、当
然その掘り込み形状の違いでホールド感が変わってくることになります。
軽くお椀状に掘り込んだり、お尻の部分だけは少し深く、太股裏は浅めに
して掘り込んで三次元曲面にしたり、二段目の写真のように太股裏は形に
倣って峰(両太股間は凸にして稜線ができる形状)を作って非常に忠実に
掘り込んだりと、段々手間は掛かることになりますがホールド感は良くなっ
てきます。
座面の硬さについても木の座面から、ロープを編んだものやウレタンなど
のクッション性のあるものを敷き込んだりと色々有ります。素材に適した相
応の作りをしていけばどれも快適なイスに仕上がると思いますが、物理的
には軟らかくなればなるほど当たりはソフトになりますので、そうした面の
座り心地としては快適と感じる傾向にあると思いますが、逆にホールドする
ことから見て行きますと、軟らかければ軟らかいほど面が動いてしまいます
のでホールド感は弱くなります。当然極端に考えて非常に軟らかいソファー
などは体にきつく当たる部分が少ないですから快適と感じる訳ですが、直
に体が動いてしまいますから、ホールド感が非常に弱いことになります。
事実私の場合はソファーには座ることができませんでしたが、こうした時に
一番にくるのは座り心地や快適さがどうのこうのは二の次で、とにかく座っ
て腰が痛いか痛くないかだけですから、私の場合は硬い座面に対して相性
が良かったことは
事実です。
座面のホールド感と言ってもイスは背もたれが有りますので、座面や各部
の角度や背側の仕様などの相関関係などを考え合わせていかなければな
りませんが、木の座面の掘り込み形状についてもまだまだ改良の余地がた
くさんあるのではないかと思います。
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