Challenge 2
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構造について 121 2005.4.16記
前項の続きになりますが、左図の構造は
座の延長が後ろ脚になりますの
で、図で見ての通りこの座を直線部材で構成しようとしますと奥行きが大
きくなる傾向に有りますが、当然SHと座面の対地角度が関係してきます。
またその位置関係からSHと座面の対地角度を少し変えるだけで、奥行き
は大きく変わってくることになります。
こうしたことから自然とこの構造ではSHは低めで、座面の対地角度は大
きめの仕様に向いていると見ることができると思いますが、極一般的には
イージーチェアではそうした仕様が多くなりますので、相性としては良いでし
ょう。またこうした仕様では重心が低くなりますので、結果としてイス自体の
安定性が増しますので倒れにくくなり、灰矢印寸法に当たる脚部自体の奥
行きは結構小さめでも不都合が出にくくなります。勿論この脚部と背座との
位置関係は外観的なバランスも含めてよく検討しておく必要が有ります。
座を直線部材でそのまま設計していけば、どうしても奥行きが大きくなりす
ぎる傾向に有りますので、極大雑把に見てSHは200〜300ミリ程度(座面
先端部分)、座面の対地角度は15〜20度程度の範囲に収めることになっ
てしまうと思いますが、更に融通を持たせるためには青点線のように後脚
部分を湾曲させれば、SHを高めにして座面の対地角度も緩くすることがで
きます。
ただ当然脚部の湾曲具合で幅広の板が必要になりますし、部材の歩留ま
りは悪くなりますので、その辺りは普通のイスで後脚をくの字に曲げることと
同じことになりますので、総合的な仕様の兼ね合いが結構微妙になりますか
ら、先の位置関係なども含めて、設計においては原寸図の必要性が良く分
かるのではないかと思
います。
こうした背座を倒したSHの低めの仕様になってきますと、体をスッポリ落と
しこむ感じになり、ある程度座る姿 勢が強制されてしまいますので、ダイニ
ングチェア的なイスのように自由に 姿勢を変えたり、体型的なイスとの色々
な
相性違いも融通が利きにくくなり、向き不向き、好き嫌いがはっきりしてく
る
傾向に有るでしょう。また座る姿勢(SHや背座の角度)に対する好み相性
も随分大きいものが有りますので、万人向けの仕様はな
かなか難しくなり、
マイチェア的な要素が強いイスになるでしょう。
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