Challenge 2
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構造について 117 2005.4.8記
部材自体は細めでも三角を取り入れた構造になっていますので、イスとし
て組み上がった時には、結構な強度が出ることに成りますし、わりと軽め
のイスに仕上がる傾向に有ります。とにかくイス全体の構造、構成は良く
考えられていて溜め息が出るばかりですが、是非一度作ってみて欲しい
タイプの
一脚です。
ホゾ自体は基本的に丸ホゾですから、加工自体はドリルでの穴あけだけ
ですから容易ですが、ただ殆どのホゾ穴に角度が付いてきますので少し
厄介になることと、四方転びの仕様では貫などの設計がとっつきにくいこ
とも有ると思いますが、このイスの構造の性質上、一般的な框構造に比
べ
て融通が利きますので、ホゾ穴は適当な角度冶具を使い、ギムネによ
る手加工の穴あけでも、十分問題なく組み上げることができますので、精
度的にはある程度いい加減でも構わないところが有ります。勿論精度の
良い加工ができればそれに越した事はないのですが、感覚的には一般的
な平ホゾによる框組みに比べて随分違ってくることは確かです。
脚自体の仕様も色々有りますので一概には決め付けられないのですが、
極一般的には脚部の組み立てでは四方転びであるがゆえに、一度に全
ての部材をホゾ穴に挿して、「ワッ」と一気に組み立てますので、こうしたと
ころも設計と同じように取っ付き
難い部分ではないかと思いますが、こうし
た組み立てを体験してみますと、構造の素 晴らしさを身を持って実感でき
るのではないかと思います。
イスは基本的に原寸図を書くことで何かと好都合に進みますが、特にウイ
ンザーチェアのように、色々な角度が多く出てくる可能性のある椅子では
非常に大切で重要です。角度要素の入った寸法出しは面倒なこともありま
すが、原寸図であれば角度のある仕様でも、先に書いたウインザーチェア
の性質上
精度的にある程度融通が利きくことと相まって、わざわざ計算し
なくても実寸で拾う寸法で実用精度は十分得られますから好都合です。
ウインザーチェアの四方転びの脚部の捉えかたについては、ここ
では書き
ませんので Challenge の「イス雑感 5」辺りから少し書いています
から、そち
らを見ていただければと思います。
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