Challenge 2
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構造について 115 2005.4.4記
前項の続きになりますが、要するに赤点線のように左右の脚間に背板を
入れる構造では、柱(脚)を座板に後ろ側から挿すことと、スピンドルが座
板に直接挿して有りますので、組み立てが出来なくなってしまいます。
背板を赤点線のような構造にしようとすれば、根本的な構造自体を変え
る必要が出てきますが、一番単純には後から挿し込んでいる柱(脚)を左
右から挟む構造にすれば良いことになります。
この左右から挟むタイプは、純粋に片持ち式と呼べるかどうかは分かりま
せんが、習作として試しに実際に作って見たことがあります。とにかくこうし
たタイプは、柱を座板にどの方向から挿すにしろ嵌め合いがきついですか
ら、座板と柱を組む時にはその作業だけに集中して、完結させたいところ
だと思いますが、他の要素が絡んできますと、融通が利かなくて非常に扱
いにくく作業が難しくなるものですが、御多分に漏れず左右から挟む場合
も背板の接合作業が絡んできますので、非常に微妙で厄介になります。
左右から挟むタイプの組み立て手順については詳しく書きませんので、頭
の中でシミュレーションしていただくとして、一番のネックは座板に直接スピ
ンドルを挿していることで、そのために厄介なことになる訳ですが、やはり
座板に直接スピンドルを挿す構造ではウインザーチェアしかりですが、背板
(笠木)は上から挿して組む構造が自然で無理がありません。
座板に直接スピンドルを挿す構造は外観的な印象としてもシンプルになりま
すし、片持ち式のために座板は青矢印方向が板幅になりますので、茶矢印
方向の力に対しては弱いことになりますが、この座面を複数のスピンドルで
繊維方向の違う背板(笠木)と、面としてつなぐことに成ると捉えて良いので
はないかと思いますが、当然多少なりとも座板の補強につながるのではない
かと思います。
木の座の座り心地については前に書きましたように、座面を有る程度掘り込
むことで改善されますが、当然このイスでも座面をわりとお尻と太ももの形に
近い形状で掘り込んでいますので当たりが柔らかくなり、背のスピンドルの中
太形状とが作る連続したおおよそのラインは緑点線のようになり、結構理想
曲線に近い形が得られますので、少し背座を倒した仕様と相まって、外観的
なイメージ以上にスッポリ体が収まるソフトな当たりの感じを受ける方が多い
のではないかと想像します。
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