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構造について 114 2005.4.2記

ラダーバックは不向きと言いましても普通ならば背板(笠木)は必要です
が、伸縮の関係から 背板の位置は座板からなるべく離して上方にしてお
きたいところですから、 このイスはスピンドルを座板から立てて少しハイバ
ック的にして、そのスピンドルを上から柱(脚)と共に背板を接合して押さえ
ています。  

何気ないこうした構造ですが、背板を点線のように柱(脚)間に入れよう
としますと、当然前に書きましたように座板の伸縮により絶えずホゾを抜く
方向に負担が掛かり続けますし、矢印部分は非常に目立つところですし
その処 理に神経を使います。背板の位置としてもどちらかと言えば下方に
来易いことになるでしょう。
またその場合は柱(脚)間に背板が挟まれる訳ですが、この椅子はボリュ
ームのある座板を片持ちで組んでいますし、座板は柱より色矢印寸法分
左右に張り出していますから、 イス全体のバランスとして背側の視覚的なボ
リュームが少し弱くなりますので、背板(笠木)を上から被せて背板自体も
矢印のように、柱より左右に張り出させることによりイス全体のバランスが
良くなるように感じます。ただこうしたデザイン的なことはことは人それぞれ
ですからあくまで私の見方ですし、実用一点張りで見た時には、背板の左右
に張り出し部分が邪魔になったり、何かを引っ掛けたりしやすいことも有る
のではないかと思います。

背板を上から被せた場合は矢印の接合面は見えにくくなりますし、矢印
方向の座面の伸縮に対しては、点線のように背板を入れた場合と90度向
きが変わりますので、ホゾ部分に掛かる負荷に対しても有利になると思いま
す。
背板を上から被せる構造について色々書いてきましたが、鋭い方は何を馬鹿
な事を書いているかと思われているかもしれませんが、当たり前ですがこうし
た構造にした理由は、このイスの構造から来る組み立てに対する制約による
必然です。
このイスの組み立て手順を考えて見ますと、まず摺り足と柱(脚)を左右それ
ぞれ組み立て、次にその組み立てた左右の脚を座板にそれぞれ順次組んで
いきます。次に座板にスピンドルを挿して最後に上から背板(笠木)をスピンド
ルと柱に挿して完成になります。


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