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Challenge 2
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構造について 92 2005.2.17記
これもあくまで一つの例として書いていきますが、
これはこの例における限
定された場合の話ですから、その辺りは要所だけを見るように注意して読
み進めていただければ
と思います。
下の右写真は幅1200ミリ程度のラブベンチですが、当然巻き枠が長くなり
ますと、ロープを巻くことで巻き枠同士が引き合いますので、巻き枠の湾曲
が大きくなります。図で表わせば、上の図は座枠を上から見たところとしま
すと、側座枠は短いですし横のロープがありませんから、まず問題になるこ
とはありませんが、前後の座枠は青点線のように湾曲してくることになりま
すので、ホゾ部分にはこじて抜く力が大きく働きます。
誰が考えても一番簡単、確実な対処方法は、前後の座枠間に緑点線のよ
うな貫を入れてしまえば良いことになりますが、ロープ巻きでは貫が見えて
しまうことになりますので、見栄えからいけばなるべく入れたくないところで
すし、座枠にはロープを巻き付けますのでその逃げと言いますか、邪魔を
しないような入れ方を工夫する必要があります。またロープ巻きはロープの
たわみがかなり大きいですから、たわんだ時に貫に当たらないような位置関
係に
して
おく必要がありますのでなかなか厄介です。
前後の座枠の位置関係を断面(簡易)で表わせば下の図のようになり、上
の図からいけばこれは矢印断面を表わしていますが左が前、右が後です。
赤点線はロープが湾曲したところを表わしていますが、これは誇張している
わけではなく実際に使っている間に、前後の座枠に渡している座面下側の
ロープに接触するくらいにたわんできてしまいますので、それを考えますと
貫を入れることも、構造的になかなか難しいことのなるのが分かると思いま
す。根本的な構造や仕様から考え直していかなければなかなかうまくまとま
らないでしょう。
そうしますとまた単純に考えれば誰でも思い付くことは、黄色矢印寸法をな
るべく大きくして座枠強度を稼ぎ、青点線の湾曲をなるべく少なくなるように
してしまう方法も考えられます。更に強度がほしければ灰矢印寸法もなるべ
く大きくして強度を稼ぐこともできます。勿論たわみに対しての強度を上げる
には黄色矢印寸法をなるべく大きくしておくほうが効率は良いはずですが、
桃矢印寸法の座面奥行きは人が座る以上上限が有りますので、今度は白
矢印寸法のロープの弾力が効く範囲が狭くなってしまいます。
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