Challenge 2
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構造について 91 2005.2.15記
前項の続きになりますが、前に何処かで書いていますように、ロープ巻き
の面は編み面に比べて確かに弱いですが、体に対する当たりとしては結
構快適なものです。カナコ編みでは縦横編んでいますので、編み面の一
点を押さえただけでも編み面全体に影響しますが、当然ロープ巻きではそ
れぞれのロープが独立していますので、型取るようにそれぞれのロープが
適度にたわんで面を作って支えてくれます
ので、当たりは見た目以上に快
適になります。
ただ面自体は弱いので、ダイニングチェア的に背の立ったイスで、座面だ
けに使ったりすることは強度的にたわみ、へたりが大きくなりすぎて、座り
心地としては実用になりますが、耐久的には実用向きではなくなってしまい
ますので、
イージーチェア的なイスで背座共に大きく角度を取ったイスで、
背座全体で
体を支えるイスに向いているでしょう。
とにかく編んだ面に比べて変化が大きいですから、変化を見越したフレー
ム仕様を掴んでおく必要があります。一つだけ例を挙げておきますと、例え
ば同じ仕様のイージーチェアの背座を、二段目の写真のようにカナコ編み
で
仕上げた場合と、三段目の写真のようにロープ巻きで仕上げた場合を
比較しま
すと、これも色々な要素で変わりますので一概には言えませんか
ら、極大雑把な目安値となりますが、編んだイスの背座の作る 角度が15
度だったと
しますと、ロープ巻きのイスでは17〜19度程度にしておく
必要
があります。
即ちロープ巻きでは2〜4度程度は大き目に角度を取ったフレーム仕様に
しておか
なければ、座った時にほぼ同じ程度の角度感覚になりません。
ただ何度も書きますが、色々な要素がありますのでここに挙げている数値
(ここ以外でも)はあくまで大雑把な目安値ですから、数値のみを鵜呑みに
しないで自分が納得できるまで追求してください。
下二枚の写真を見比べていただくと下はベンチですから当然巻き枠はスト
レートですが、上は一人掛けですから前座枠と上背枠と背座共有枠には少
し湾曲が付けてあります。これだけのことで体がスッポリ収まる感じになり、
随分座り心地が変わってきますが、当然巻き枠には捻る力が掛かることに
なりますし、ホゾ部分も捩れに対して考えておかなければならなくなります。
特にこのロープ巻きのイスは横ロープがありませんから、縦巻きだけで荷
重を支えますので、太目のロープをなるべくテンションをかけて巻いておき
たいところですからなお更です。
勿論これに限らず編むイスやテープを張るイスは、何度も書いていますよう
に全て絶えず枠の部材、接合部分に荷重が掛かり続けますし、荷重の大き
さが変化しますので、軟材ではなかなか厳しいところがあります。
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