Challenge 2
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構造について 90 2005.2.13記
前項の続きになりますが、左の写真の編み方では座枠の板厚(上下方向)
をなるべく薄くして、その分強
度を稼ぐために黄矢印寸法をなるべく大きく
しておくことになりますが、座面がへたって来た時のことを考えますと、特
に前座枠については黄色矢印寸
法をなるべく小さくしておきたくなってしま
います。
一方カナコ編みでは見栄え的に青矢印部分は、編み始めになるべく密着
させておきたい編み方ですから、前項で書いたような予めへたりの形を見
越して赤点線のような対処はできませんので、その対処方法としては、なる
べく黄矢印寸法を小さくしておくことになります。
幸いカナコ編みでは編み枠の緑矢印寸法は、編み込みに支障なく自由に
大きく出来ますので、こちらでなるべく強度を稼ぐことになります。
木だけで全体を構成する場合は動きませんし変化しませんので、ある程度
考えやすところもありますが、今まで書いてきましたように編む要素を取り
入れたイスでは使う間に変化してきますので、色々な面から見ていきますと
相反することが出てきたりしますし、なかなか厄介なものですが、こうした色
々な面から検討して自分なりに最適と思える仕様、構造、形状を決めてい
くことになりますが、どんな場合でもこうしなければならないとか、こうしなけ
ればいけないことは何もありませんので、自分なりに気付く出来る限りの範
囲で色々な面から検討して、総合的に判断してまとめていくことになりますし、
後はこの蓄積になります。
話がどんどんあっちこっちへ飛んだり、表題の構造についてとかけ離れて行
ってしまう傾向にあり何とも申し訳ないですが、遠回りにはつながっています
ので大目に見ていただくとして、二段目の写真は、背座共に綿ロープをただ
ぐるぐる巻き付けただけのベンチですが、これなどは縦巻きロープだけで横
編みがありませんので、当然加重を支えるロープがかなり少ないですから、
イスとして使う当初から面のたわみは大きく、座ることによる面のへたりは編
ん
だ面に比べて早く大きくなりますので、予めそうしたことに対するフレーム
仕
様などを良く考えておく必要があります。
また編んだ面では、編み面の寿命が尽きるまでほぼアフターケア無しで使
いますし使えますが、こうした縦巻きだけの仕様ではロープのへたりが大き
いですし、荷重のかかり方により部位によるへたりのバラツキが出てきます
ので、アフターケアとしてロープ状態を見ながら、巻き直し(締め直し)をして
やる必要が出てきますので、巻き初めと巻き終わりのロープ端末処理はそ
うした時の事を考えた構造なり方法を工夫しておく必要があります。勿論そ
のときの見栄えについても大切な検討要素です。
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