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構造について 86 2005.2.5記

背面より スツール 4ミリ綿ロープ編み

編み方の性質上矢印部分が問題になるのは、前に書いていますので
ガッテン承知、くどくてちっとも話しが進まないぜだと思いますが、 カナコ
編みの前後の座枠、即ち縦巻き側 のみになります。要するにこれはカナ
コ編みの縦巻きは目飛ばしして巻いていくために、目飛ばしした部分は空
間ができてしまうことによるものですから、カナコ編みの横編みや左の写
真のイスの編み方では、巻き枠全てを編んで埋め尽くしてしまいますので、
矢印部分に外観的な不都合が出ることはまずありません。

例えば下の左図で左の写真のイスの編み方をしますと、後座枠を点線
のようにカットしなければ、矢印に相当する部分は図からも分かると思
いますが浮いた状態になります。これは編み込みで隠れてしまいますので
なんら問題はない訳ですが、ただあくまでも基本的な編み枠とロープの位
置関係の観点から見ていきますと、左の写真のイスの編み方では、とにか
く座枠寸法の板厚(上下方向)をたとえ僅かでも薄くして編みたいことが有
りますので、下の左図のように座面に傾斜を付けるのであれば、その右の
図のように傾斜角度の対して編み枠を平行に配しておくことになりますが、
実際にこうした部材に傾斜が付いてきますと、ホゾ仕様や部材仕様は結構
面倒なものになりますので、左図のように近似値的に傾斜を無視してしまっ
て、角度を付けずに組んでもまず不都合が出ることはないでしょう。

勿論あくまでもダイニングチェア的な、座面角度をそれ程大きく取らないイ
スにおいての話ですから、イージーチェア的なイスで座面角度を大きく取る
ようなイスでは、また別の要素も入ってきますし良く考えて対処していく必要
があるのは当然です。
細かいことを言えば、左図のように巻き枠に角度を付けずに組んだ場合は
巻き枠の実質的な板厚は矢印寸法になりますので、座面の傾斜角度が
影響してくることがわかると思いますし、板厚を薄くするために矢印寸法
の幅で強度を稼ぐことになりますが、この幅も角度が付くことで矢印寸法
の実質的な板 厚に関係してきてしまいます。
勿論何度も書いていますように、こうしたことは編み方の違いからくるもので
すから、カナコ編みでは矢印寸法はわりと自由にいくらでも大きくすること
が出来ますので、考え方の感覚が変わってきます。


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