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構造について 87 2005.2.7記

背面より スツール 4ミリ綿ロープ編み

イスはイスとしての機能の性質上どうしても角度が付く部分が多くなります
が、ホゾやホゾ穴はどんな場合でも、加工、加工精度、組み立て易さを考
えれば、部材に対してなるべく角度を付けない仕様にしておきところですし、
それで済め ばそれに越したことはないでしょう。また強度についてもホゾ側
については 一概には言えないところがありますが、ホゾ穴側については角
度が付けば付 くほど繊維を多く断ち切り、ホゾを強く効かせにくくなりますの
で、強度は弱くなる傾向にあるでしょう。
ただ前にも書いていますようにどんな家具でもそうで すが、イスは特に組み
上がった全体で、総合的に判断していかなければい けませんので、部分々
だけを取り出して云々は、気を付けなければいけないのは言うまでもないこ
とだと思いますが、どうしても説明の都合上一つ々取り上げて書いていく形
になってしまうのは致し方のないところです。

また一つの例として、左の写真のイスの座枠のホゾについて考えて見ます
と、上の図三点は前座枠の二枚ホゾを木口側から見たところを表していま
すが、作図簡略化のためにR面(ボウズ面)は省略しています。
上の左図は下左図の状態で接合した場合になりますが、これは座枠、ホゾ
共に前脚に対して角度を付けない、至って標準的な仕様になります。ホゾの
縦方向は強度確保のために、矢印の部材寸法一杯まで取ることができま
すし、ホゾ穴においても角度が付きませんので加工は一番容易になります。
二段目の図は下右図の状態で接合した場合になりますが、これは座枠自体
はその上の場合と全く同じで変わりませんが、ホゾ穴側には必要な座面の
傾斜角度でホゾ穴をあけることになります。僅かなことですが当然この場合
は、矢印寸法は必要な座面角度に応じて、寸法が大きくなりますので、先
の場合に比べて多少なりとも前脚の寸法を大きくする必要が出てくる可能性
があります。
そこで前脚寸法を大きくする必要もなく、ホゾにも角度を付けずに組むことを
考えますと、上の右図のようになります。こうした仕様にした場合は当然木取
りとしては、必要な座面角度に応じて矢印寸法は大きくなり、材料の歩留ま
りは悪くなります。またホゾ加工の作業性を考えますと、その角度分のホゾ寸
法(上下方向)が小さくなってしまいます。後座枠で点線のように更に角度を
付けようとすれば条件は更に悪くなります。ただこれはカナコ編みの場合にお
いてだけですから、実際には左の写真の編み方では更に角度を付ける必要
はありません、と言うよりも付けない方がいいでしょう。


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