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ホゾについて 13 2003.3.16記

両胴付き平ホゾ接ぎで木口にホゾ接合しようと思えば、上右図のようにな
りますので、当然ホゾ穴ではなく欠き取りになってしまい、ホゾ側の形は両
胴付き平ホゾですが、この接ぎは分類的には異なるものなりますが、包み
三枚接ぎになります。組み立てでは接合面をしっかり密着させますが、ホ
ゾを利かすことが出来ませんので、主に接着剤の接着力による接合になり
ます。
そこでホゾを利かせるのは二段目の図のように、木口側に胴付を一面増
やすことでホゾ穴になります。これは肩付き平ホゾ接ぎとか肩両胴付き平
ホゾ接ぎとか三方胴付き平ホゾ接ぎとか言いますが、これは上と同じ木口
接合ですから、分類上では今までのホゾの説明とは違う状態(仕様)で、本
来は別の呼び名が付いているかもしれませんが、ここでは胴付きやホゾの
働きや捉え方を主眼に書いていますから、名前や分類的なことはあまり重
要視していませんし、説明の都合上話があちこち飛ぶことに成ると思いま
す。
胴付き面をもう一面増やせば三段目の図のようになりますが、これは四方
胴付き平ホゾ接ぎとか両肩付き平ホゾ接ぎと言います。こうなればホゾ穴
口は全て隠れますし、四面仕上げ鉋をかけてもホゾの利き嵌め合いに影響
することはありませんし、四面綺麗な接合面が得られます。当然ホゾ加工
においては一番手数がかかることになります。

木口面のどこにホゾを設けるかで呼び方が変わることになりますが、
印方向がホゾを利かせる向きとして見て行きますと、四段目の図の左二つ
は胴付を一面に設けたものですが、その位置により左は片胴付き、右は肩
付きと言ったりします。
右二つは二面胴付きになりますが、左が両胴付き、右が肩片胴付きと言っ
たりします。
下二つは三方胴付きになりますが、左は肩両胴付き、右は両肩片胴付きに
なるのでしょうか?
上に書きましたように名称はあまり重要視する必要は無いと思いますが、ホ
ゾはあくまで家具を組み上げる一つの手段、方法ですから、胴付きやホゾの
特徴をうまくいかせるように、仕様に合わせてうまく使い分けてください。文献
など見れば本当に覚えきれないくらいたくさんの種類のホゾが有りますが、実
際に家具を作る場合には、今まで書いた程度の平ホゾのバリエーションで十
分組み上げることができると思いますし、胴付きの意味やホゾの働き特徴を
理解していれば、その仕様に必要なホゾを自分なりに考え出していけるよう
になるでしょう。
勿論作業性なども加味して総合的に考えていくことになります。

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