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ホゾについて 14 2003.3.17記

ホゾは組み上げる部材同士の仕様による、理論上最適なホゾとホゾ穴の
寸法関係があるはずですが、実際の加工においてはホゾ穴は作業性を考
えれば角ノミでの加工が殆どですから、角ノミ寸法は通常 6.4ミリ、8ミリ、
9.5ミリ、12.7ミリ、15ミリの決まったものが有りますので、ホゾ寸法は必然的
にこの中から選ぶことになります。
ただ6.4ミリ、12.7ミリは半端な寸法ですから、設計や加工においては扱いに
くいところが有りますので私の場合は使いませんが、細いものも必要ですか
ら 出来れば5ミリ、6ミリも有りますので、何とか入手しておくと便利です。

ホゾ寸法を考える場合極端に考えて、ホゾ穴が大きすぎればホゾ穴の部材
が弱くなってしまいますし、ホゾ穴が小さければホゾ自体が折れやすくなりま
すし、ホゾ加工もしづらくなります。また矢印方向の荷重に対する物理的
強度も弱くなりますが、前に書きましたように胴付が密着してホゾがそこそこ
利いていれば、結構しっかりした接合になりますので、椅子などでは強度を
かなり考えなければいけないところも有りますが、箱物では感覚的に極端な
ことをしなければあまりホゾ寸法に神経質になる必要な無いでしょう。
勿論最適なホゾ寸法を追求することも必要では有りますが、それよりもホゾ
とホゾ穴の嵌め合いを精度よく加工して、胴付を密着させしっかりホゾを利
かせて組み立てることが大切でしょう。

二段目の左図は上左図を矢印方向から見た図としますが、ホゾの位置は
木口の上下左右のセンターに持ってくるのが、設計製作ともに楽になります。
ここでは例えとして四方胴付で書いていますが、通常ホゾの加工手順はその
右図でいきますと、初めに線の胴付き面の横挽きを入れ、次に点線のよう
に木口に縦挽きを入れていきますが、普通この切り込みは加工精度や作業
性を考えれば、丸ノコやトリマ、ルーターでの加工が望ましいと思いますが、
矢印 と矢印の胴付き面の深さが全て同じであれば線の切り込み深さ
調節が一度で済みますから、当然加工が一番楽になります。
実際には色々な要素でホゾ位置が変心することも多いと思いますが、なるべ
く同じ寸法部分が増えるように設計します。
これは一つのホゾで見ていますが、他の部材のホゾとの関係もなるべく共通
部分が増えるように考えて設計していきます。
縦挽きでも同じことですが、加工の性質上矢印と矢印寸法が同じ ではな
くても、それぞれの対向する胴付き寸法が同じであれば楽になります。
ここでは詳しく書きませんが、縦挽きでは丸ノコの加工とトリマ、ルーターでの
加工では、基準面の扱いが異なりますので、効率の良くなる寸法合わせが異
なってくると思いますので考えてみてください。
このようにホゾとしての機能と作業性を合わせて総合的に考えていく必要が有
ります。


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