Welcome to   Wood worker kei   home page

    
 

Top
Information
Exhibition
Challenge
Challenge2
Challenge3
Link

 

 Challenge 2                               << 前へ 次へ >>

構造について 60 2004.11.21記

フラット 板座  
背面より  
背面より  

後一つ中の写真のイスの編み方では、前後の座枠と左右の座脇は段差
が付けてありますが、これはこの手の編み方のイスでは昔から良く用いら
れる方法、構造で、左右の座枠側を上に上げてやることで編み込んだ座
面の凹凸が大きくなり、木の座面で言えばお尻の形に掘り込んだことにな
りますので、当たりが良くなります。
またこの編み方では座枠の幅(上下方向)をなるべく狭くしたいところです
から、前後左右の座枠を同じ位置に差し込むことになりますと、接合強度
を上げにくくなりますので、段差を付けることで前後左右それぞれの座枠
を強固に組むことができるようになります。こうしたところは本当に良く考え
られていて溜め息が出てしまいますが、先人の知恵は素晴らしいの一語
です。

前後左右の段差はどの程度取るかになりますが、これも椅子の仕様によ
りケースバイケースで随分条件が変わりますので一概には言えませんが、
極大雑把には15〜35ミリ程度で考えていけば良いのではないかと思い
ます。
ただ段差を付けた場合には、その分フレームには編み込みによる捻る力
が大きく働くようになりますし、座ることで更にその力は大きくなりますので、
接合部分のそうした力に対する物理的強度も良く考えて対処していく必要
があります。
また写真のイスでは前後の座枠には少しRを付けていますか ら、こうする
ことで更に編み込みによる捻る力が大きく働くようになりますの で、また更
に捻れに対してホゾ仕様などを良く考えておく必要があります。
このRは少しでも当たりをよくするためと、いくばくかの視覚的な要素もあり
ますが、加工の手間や材料の歩留まりとその得られる効果など、直線部
材の場合とはなかなか微妙な選択ですから、自分なりにメリットデメリット
を良く考えて見てください。

またこのRを付けることで、左右の座枠とは更に湾曲分段差が大きくつくこ
とになりますので、そうしたことも含めて前後左右の段差を考えていくことに
なります。そうした上に書いたようなことを総合的に考えていきますと、この
前後の座枠に付けるR自体はあまり大きくしないほうが良いでしょう。
この 場合は何Rではなく、またどんな仕様に関わらず前後の座枠自体にセ
ンタ ー部分で10ミリ程度の段差が付く程度のRにしておけば十分でしょう。


                                           << 前へ Page top 次へ >>