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構造について 59 2004.11.19記

 
背面より  
背面より  

後一つ編み方に違いによる視覚的なものがありますが、編み方は大きく分
けて下二つの写真のような編み方に分かれますが、一番下の写真のよう
な 編み方は正式名称を知りませんが、カナコ編みとかパナマ編みと言った
り するようです。要するに縦横のロープをそれぞれ上下上下と交互に通し
て いく、いわゆる布編み状になります。ただテープでも同じことになりますが、
目の通し方で色々なパターの編み上がりになります。この編み方はでは前
後の脚間の寸法差で出来た左右の三角部分は、編み方の性質上視覚的
に目立ちますの で、あまり大きくは後脚間を絞りにくくなります。
編むロープの径にもよりますし、これも極大雑把に見てのことになりますが、
最大片側15〜20ミリ程度までにしておくのが無難かなと思います。

二段目の写真の編み方の名前は知りませんが、一本のロープで連続して
前後左右に編み進めていくもので、編み上がりは編み目の稜線が対角に
走り、独特の形状になります。下の写真のカナコ編みは布編みですから、
編み面は一層ですが、この場合の編み上がりは三層になりなかなか耐久
性のあるものです。
この編み方はでは前後の脚間の寸法差で出来た左右の三角部分は、編
み方の性質上視覚的に目立ちにくいですから、カナコ編みより後脚間を絞
り易くなりますが、後足間を絞れば絞るほど左右の座枠の角度が大きくな
り、ロープが片側により易くなってしまいますので、イスの仕様などにより随
分条件が変わりますから一概には言えませんので、これも極大雑把に見て
のことになりますが、最大片側30〜40ミリ程度までにしておくのが無難かな
と思います。

編む話が出てしまったついでに、編み込む座枠について少し書いてしまい
ますが、下二つの写真の編み方で座枠に関して一番の違いは、一番下の
カナコ編みでは座枠の幅寸法(上下方向)に対して制約が少ないことでしょ
う。そうしたことから下の写真のイスでは、座枠の幅を広くして補強の貫を
省いてありますが、中の写真のように座枠の幅を狭くして貫を入れる構造
にも出来ます。
ただカナコ編みに関しては裏面をどう処理するかのことが関連してきまして、
ピンや釘などを打って折り返して裏面を省略(無し)して編む方法と、グルグ
ルと裏面もロープを通して埋め尽くしてしまう方法がありますので、それに
よりある程度座枠仕様に関係してきます。
この裏面を編む処理の違いについては他のところでも書いていますのでこ
れ以上詳しく書きませんが、当然それぞれにメリットデメリットがありますの
で、自分なりに考えて納得(何を最優先するか)のいく方法を選択してくださ
い。ちなみに私の場合は裏面にもロープを通して埋め尽くしてしまいますの
で、ロープの使用量は増えますしイス自体も重くなるデメリットはありますが、
私が作るものの色々な条件や要素などから 他のメリットが一番重要だと考
えてこんな選択をしています。

一方中の写真のイスでは編み方の性質上、下の写真のように座枠の幅を
広くすることが出来ませんので、必然的にある程度貫が必要な構造になり
ます。こちらは座枠の幅(上下方向)はなるべく狭くしておきたいおころです
から、部材寸法、接合部分の強度との兼ね合いを良く考えていかなければ
ならなくな ります。


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