Challenge 2
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構造について 46 2004.10.24記
前項の続きになりますが、一つの例として後脚を茶点線のように座枠下
から後傾させてやれば後脚はその右図のようになり、後ろ側の貫ホゾに
角度が付いて貫長さに三角の要素が入りますので設計加工は面倒にな
りますが、強度は上がりますし視覚的な安定感も出てきます。
これは後脚の形が図のように背板部分と座下部分で二度折れした形に
なりますので、視覚的なシンプルさを考えれば背板部分から後傾させてし
まえば後脚は一番右の図のようになります。ただこれは当然座枠貫共に
角度が付いてきますので、設計を含めて製作的には少し面倒になります。
また背板の角度は座面に対してになりますので、後傾させた分だけ首折
れ角度が大きくなりますから部材の機械的強度が落ちますので、良くわ
きまえておきます。
これは分かりやすいように直線で考えていますので、Rや曲線を取り入れ
ていけばまた違った雰囲気になることは言うまでもない事ですし、それに
付随して座枠や貫の接合方法も良く考えていかなければなりません。
そこで一番右の図の場合は背板下から後傾させますので、座面との位置
関係を見てみますと、青一点差線は後脚の前面となりますので、同一座
面寸法では実質的な有効寸法が狭くなることになります。勿論図の背側
の仕様では背板と座面間は空間が有りますので、強引に腰を後に引くこ
とは出来ますが、背板の最適な角度からいけば快適な姿勢とはいかなく
なってしまいます。ただこれは逆に捉えれば僅かなことですが、色々な姿
勢が取りやすくなると見ることも出来ますし、座面は右図の青一点差線ま
でにしてしまっても、左図と背座の位置関係は変わらないことになります。
ここで二段目の図のように、座面辺りから後脚をくの字に後傾させることを
考えて見ますと、上左図との比較から分かるように首折れ位置を下げまし
たので、背座の位置関係は背板を少し後方へ移動させた状態になります。
これは座面を目一杯有効に使うことができると見ることも出来ますし、腰を
目一杯引いた時には座面後端が足りないと感じることも起きて来ます。
上の右図の場合と比較すれば背座の位置関係はかなり変わってくることに
なります。
これは当然後脚の歩留まりは悪くなりますが、ハイバック的なイスや後傾を
大きく取った仕様のイスなどでは、安定性を考えれば後脚接地点も後方へ
持っていくことになりますので、かなり幅広の板が必要になりますので、イス
に構造自体から考え直していく必要も出てきます。
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