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構造について 45      2004.10.22記 
      前項の続きになりますが、前後方向への安定性を高めるに後脚を後方へ 
ずらすには、当然脚下部をくの字にしたり曲線にすることになりますが、加 
工組み立ての容易性を考えれば白楕円部分の接合は前脚と平行であれ 
ば一番楽になりますので、前後を結ぶ側の貫位置をなるべく上にずらして 
それ以下の後脚を後方へ持っていけば、接合部分の加工は楽です。 
前後方向への安定性を高めるには、当然茶点線のようになるべく後足の 
接地点
を後へずらすことになりますが、後方への張り出しが大きくなれば 
躓いたり邪魔になったりしますので、実用性を考えれば材料の使用量を含 
めた歩留まり、加工性やスペースを考えれば必要最小限にしておきたいと 
ころになります。ただこれもイスの仕様や見た目のバランス、人それぞれ捉 
え方が違いますので一概には言えませんが、それを承知であえて書いてし 
まえば背板をくの字にした青一点差線ラインまでにしておけば必要十分か 
と思います。 
  
    
    
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  何度も同じ事をくどく書いてしまうようなことになりますが、イスでは前後方 
向への安定性と共に強度も大切になりますが、特に黄矢印の側座枠と後 
脚の接合部分は一番負荷がかかり続けますので、まず初めにここがヘタっ 
て来てしまうことが多いですから、特に機械的強度と接合強度を十分確保 
して強固に作っておく必要があります。要するにイスの要的な部分と捉えて 
良いでしょう。 
前後方向に強度に対しては桃矢印の板幅合計が利いてきますので、自分 
の作り方ではおおよそどの程度の合計板幅があれば実用強度を得られる 
かを掴んでおけば、後は座枠の幅を広くして貫無しにしたり、貫の幅を狭く 
して2枚3枚にしたりと自由に対処できます。勿論これは色々な要素が有り 
ますので単純に板幅だけで判断できるわけではないですが、極々大雑把な 
目安としての見方です。 
左右方向でも同じことですが、力のかかり方が違いますし普通は背板が有り 
貫の働きをしてくれますので、強度を得られやすいことになります。 
またアーム付きの椅子ではアームが貫の働きをしてくれますので、アームの 
組み付け構造を工夫すれば、脚部の貫を省いたり簡素化するころが出来る 
でしょう。写真のイスはそうした事から前後方向の貫を省いたものです。 
また図は前後の脚が平行なイスを表わしていますが、とにかく強度を上げる 
ためには構造の中に三角を取り入れていけば筋交いを入れたようなことに 
なり、シンプルかつ強固なイスに仕上がりますので、加工の難しさは出てきま 
すが色々工夫して見てください。 
 
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