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構造について 40 2004.10.12記

背面より  

背が支えられていると感じるある程度の安定感を得るには、位置にもより
ますがそれなりの幅(上下方向)が必要になります。これも当然感じ方の
個人差が随分有るはずですから一概には言えませんが、ランバーサポー
ト辺りを一枚の背板で支える場合は、幅は最低80〜100ミリ程度は欲し
くなるのではないかと思います。ただランバーサポート辺りは背板に上の図
のような湾曲を一番大きく付けたい部分ですから、幅を80〜100ミリ取る
となると 部材としては相当太い柱のようなものになりますので、加工も大変
になり ますし部材の入手の問題も有りますから、場合によっては積層したり
長さ方向への継ぎ足 しを取り入れたりの必要も出てきます。

こうしたことから、写真のように背板を二枚に分割してやるのも部品点数は
増えますが、材料入手や加工性を考えると有効な方法です。
二段目の図はこの二枚仕様の背板部分を横から見たところを表しています
が、まず背が支えられている安定感から矢印寸法を決めていきますが、
これも当然他の要素、仕様との絡みが有りますので結構悩むところですし、
この二枚の背板の配し方自体も前項で書きました、下側の背板はランバー
サポート辺り上側の背板は肩下辺りとした上下を離したものから、写真のイ
スのように二枚の背板を近づけて配したものまで色々な選択肢があります
ので、上下の背板の湾曲を変えたり幅を変えたりなど、背板自体の仕様も
含めて自分なりに快適と感じる配し方を見つけてください。
当然二枚の背板を離し気味にした場合は、背全体の支えとしては安定感が
出てきますが当たり自体は少し劣る傾向にあり、写真のイスのように近付け
気味した場合は当たりは良くなりますが、背全体の支えとしては安定感が
少し劣る傾向にあります。

ある程度限定した一つの例として、写真のイスようにランバーサポート辺りか
ら少し上を、近づけ気味の二枚の背板で支えるものについて少し詳しく見て
いきますと、矢印寸法は当然一枚の背板よりは楽に広く取ることができま
すので120〜160ミリ程度を目安に考えていけば、ダイニングチェア的な仕
様のイスでは十分 な安定感と快適な背当たりが得られるでしょう。
矢印の背板を離す間隔は狭ければ一枚の背板の感触になりますし、離し
気味にすれば二枚の背板であることが分かる感触になりますが、矢印の
一枚の背板の材料的なことと、見た目のバランスや矢印間の掃除や、取
り回しで指が楽に入るのことなどを考え合わせて決めていきますが、こうした
ある程度限定された例では、おおよそ25ミリ程度以上を目安に考えていけ
ばまず 不都合はでないでしょう。


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