Challenge 2
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構造について 5 2004.7.22記
幕板の厚さと溝深さについては、樹種や仕様により一概に決め付けるこ
とはできませんが、極々標準的に考えてのあくまでもいい
加減な目安です
が、幕板の厚さは10ミリ程度、溝深さは10ミリ程度で考え
て、後はケース
バイケースで適宜加減していけば良いと思います。
縦框がある程度長くなってきますと、縦框がたわみやすくなりますし、幕板
自体も薄いのでべこべこし易くなりますので、幕板を適宜分割して白点線
のように横框(中桟)を追加して補強してやります。当然桃丸部分の横框
(中桟)の溝は二段目の拡大図のように、ホゾ上下に掘ることになりますの
で、ホゾはある程度の制約が出来てくることになりますので、色々な寸法関
係や部材強度、接合強度を良く考える必要があります。
また箱物では棚板のようなものが付いてきますので、板組みでしたら面が
フラットですから、どこにでもわりと自由に棚板を組み付けることができます
が、框組では面に凹凸ができて幕板が薄いので、棚板などの取り付けには
それなりの構造にしなければなりませんので少し複雑になりますし、ある程
度取り付け位置に制約ができてきます。
棚板などが無垢の場合には、板の反りや伸縮に対しても対処できるように
しておかなければなりませんが、板組みでは普通板の向きが同じになります
ので、ダボやビスケットにしろ溝を掘って嵌め合いにするにしろ、そのまま接
合するだけですんでしまいますが、框組では横框が有りますので、基本的に
框で組んだフレーム全体と棚板などは伸縮方向が違いますので、棚板の取
り付け方法は厄介になります。
箱物で棚板を付ける場合に、よく棚板の位置を可変できたり、棚板の枚数を
増減できたりすることをうたい文句にしていることは良くありますが、実際に
家具を使う場合には色々な状況に対応できますし、色々な使いかたができ
て便利ですから確かに重宝しますし、製作面からいっても組み付ける必要が
ありませんので楽になる傾向にあります。
ただ現実にそうした家具を使っている場合に、本当にそうしたもの(機能)を
有効に使っているでしょうか、使い始めて棚板をどれほど動かしたでしょうか、
棚板を増減しましたでしょうか、余った棚板はどうされていますでしょうか、確
かに使い始めは状況に合わせてそれなりに対処できますので助かると思い
ますが、現実には一度使い始めてしまいますと、そのまま使い続けることが
多いのではないかと想像してしまいますがいかがでしょうか?
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