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構造について 6 2004.7.24記

本当に実用的なものとはどういうものなのか、これは家具に限らずなかな
か難しいことですし、実用的だけが全てではありませんので本当に奥の深
いことです。前項で書きましたように棚板についても、色々な捉え方考え方
があります し好みの問題も有りますので、自分なりに納得できる方法で作
れば良いで しょう。
ただ棚板については、可動式の場合に合板であれば、そのままダボなど
に乗せるだけで不都合がでることはないでしょうが、集製材や剥板では板
の反りと、構造によっては板幅の伸縮のことを考えておかなければいけな
いでし ょう。棚板単独の反りについては反りのことだけを考えれば、裏に反
り止めを蟻挿する方法が一番理想的ですが、あまり見栄えの良いもので
はありませんし、邪魔になったりデッドスペースができる可能性も有ります
ので、こうした場合の機能を考えると最適とはいえない部分も有ります。
端嵌めなどは結構こうしたところに向いていると思いますが、端嵌めの接合
部分に負担がかかりますので、非常に重いものを乗せるような場合の使い
方には不安が残ります。
何でもない板一枚も無垢の場合には、可動式の棚板のようにフリーで使う
ことを考えると、結構厄介で扱いにくい物になってしまいます。

板の反りを押さえる他の一つの方法の例ですが、これは Challenge にも書
いたことですが、仮に20ミリ厚の棚板が必要な場合10ミリの板二枚を二段
目の図のように木表側同士で接着して一枚の板にします。こうすることでお
互いの反りを打ち消しあうようにしてやります。
もう少し詳しいことについては Challenge の「その他のホゾ、構造について9」
を参照していただければと思います。

棚板枚数が増えてきますとそれだけで結構な重量になってきますが、材料
の入手や軽量化を考えて、少し手間はかかりますが棚板自体も上の図のよ
うに框で組んでしまい、幕板の代わりに薄板を張ってしまう方法もあります。
下の図のようになりますが、当然矢印部分に薄板を張るところになります
が、図では矢印方向に薄板を張っていますが、矢印方向に張ることも
できます。棚板の仕様によりそれぞれの木の向きによる特長を良く考えて、
ケースバイケースで対処していけば良いでしょう。


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