Welcome to   Wood worker kei   home page

    
 

Top
Information
Exhibition
Challenge
Challenge2
Challenge3
Link

 

 Challenge 2                               << 前へ 次へ >>

構造について 4 2004.7.20記

箱物の框組みの構造では四方を角材で組んで枠を作り、面を薄いパネル
(幕板、鏡板)で埋めていきますが、一 般的には四方に溝を掘り込んで嵌
め込むことが多いでしょう。
上の図のような框で組んだ扉のようなものをイメージしていただければ良
いと思いますが、こうした場合の幕板は矢印方向に大きく伸縮しますが、
上下の部材、即ち上下框は木の縦方向ですから、矢印方向へは殆ど
伸縮は無いと見なして構いませんから、当然幕板を溝に嵌め込んだ場合
には、幕板の伸縮に対してのことを考えておかなければいけないことにな
ります。
木の伸縮は万力のようにもの凄い力で変化しますので、木の伸縮に対し
て余裕がなければ、伸びた場合には丸部分の接合部分を複数枚の通し
ホゾでしっかり固めておいてもで簡単に抜いてしまいますし、左右の縦框が
矢印のように、太鼓型に変形したりすることも起きてきます。
また縮んだ場合には、幕板は自由に伸縮できるように嵌め込むだけで接
着しませんから、幕板が片側によってしまい更に幕板が縮んでしまった場
合には、矢印部分に幕板の木端が出てすいてきてしまうこともあります。
これは幕板の入る框構造では一番気を付けなければいけない部分ですが、
とにかく幕板は絶えず動きますので、幕板は樹種の違いで伸縮が違います
し、板目か柾目かでも随分伸縮が違いますし、横框(ほかの呼び方もありま
すが、ここではこれで進めます)の寸法や落とし込む溝 の深さとの関係を良
く考えて、幕板がどちらにどう動いても不都合が出ない ように幕板幅を決め
ていきます。
幕板の縦方向への伸縮については無視して構いませんし、図の場合は左
右の縦框と同じ方向ですから考える必要はありませんので、上下横框の幕
板を嵌め込む溝については当然幕板が入りさえすれば良いことになります。

落とし込む溝は、トリマやルーターの横溝ビットやストレートビットでの加工
が一番楽で容易ではないかと思いますが、実際の設計では上に書きました
ように幕板と溝深さの関係に、溝深さとホゾの関係も考えていかなければ
なりません。
二段目の図は、丸部分の横框に幕板を嵌め込む溝を掘ったところを拡
大して表わしていますが、上に書きましたようにこの溝は幕板の縦方向を
嵌めこむ部分ですから、 伸縮に対して神経を使う部分ではありませんので
自由度はありますが、 ホゾが有りますので溝深さとの関係を考えていく必要
がありますし、溝掘り の作業性を考えますと、縦横の框の溝深さは同じにし
ておきたいところです から、そうしたところも総合的に考えていきます。


                                     << 前へ Page top 次へ >>