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構造について 3 2004.7.18記

 
 

上の写真でも分かりますように、当然板組みでは凹凸の少ない非常に
シンプルでスッキリした組み上がりになります。また框組みでは凹凸の多
い悪く言えばごてごて、良く言えばメカニカルな組み上がりになりますので、
その形から来る雰囲気や特徴を理解して、適材適所で使い分けていきま
す。一番分かりやすい典型的な例は、棚に本やCDを並べることを考えれ
ば良く分かると思いますが、框組みで凹凸ができてしまいますと使い勝手
の悪い事になってしまいます。勿論それなりに対処することもできますが、
余分な手間がかかってしまいますので、板組みならばそのままでうまく収
まってしまいます。
ただどんなものでも同じでしょうが、家具も理屈を越えた各自の惹かれる
もの好みが相当部分を占めますので、何といっても自分の気に入ったも
の方法が一番ですね!

框組みで脚物と箱物を作る場合には、同じ框組みでもその形状、性質の
違いから、ホゾの設計、組み立て共に感覚が少し変わってくることになり
ます。脚物は極 一般的には角材だけで組み上げますし、部品点数も少な
い傾向にありますし、動的荷重がかかりますので、強度を非常に重要視し
て設計、組み立てを進めていく必要が有ります。接合する部材同士がなる
べく強固にかつ機械的強 度が上がるように、ホゾ仕様を設計する必要が
ありますし、組み立てにおいてもホゾをしっかり利かせて組んでいきます。

一方箱物では幕板(側板、裏板、底板など)が入ってきますし、部材数も増
えてきますから、組み立てにおいては一度にたくさんのホゾを組み立てる
傾向に有りますので、特に止めホゾではあまりホゾを利かせますと、組み
立てができなくなってしまうことも出てきますので、ホゾはある程度緩めの
嵌め合いに仕上げておく必要もでてきます。
箱物は据え置きで、動的荷重がかかる率も多きさも小さい傾向にあります
し、部材数が多いですから一つ一つのホゾ自体はある程度接合強度が弱
くても、全体で支えますので総合的な家具強度としては大きくなりますので、
一つ一つのホゾ接合が強固であるに越したことはないのですが、それより
も部材数が多いですから全体をうまく組み上げるには、部材加工精度(部
材寸法、直角)を上げておく必要がありますし、引き出しが付いたり扉が付
いたりしますので、たとえ部材が精度良く加工されていても、組み立てにお
いては直角や捩れに対しても注意しておかないと、後々余分な手間がかか
ってしまい厄介なことになります。
脚物でも箱物でも綺麗に組み上げることは当然ですが、上に書いたような
ことから考えていきますと、設計製作一まとめにして強引に一言で言ってし
まえば、脚物は強度最優先、箱物は精度最優先と捉えて良いのではないか
と思います。
また板組みで脚物と箱物を作ることを考えますと、脚物は極一般的には少
数派だと思いますが、形から来る性質の違いはありますが、脚物と箱物に
対 しては同様の傾向にあると捉えておいて良いのではないかと思います。


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