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加工(製作)について 14 2004.6.16記

下端が平面の場合は摩擦抵抗が大きいですし、前項で 書きましたように、
刃口部分の下端(丸部分)は一番消耗が激しいところになりますので、
この部分が消耗しただけで下端全面を修正することになってしまいます。
また台は木ですから絶えず動きますし、この場合も下端全面を修正するこ
とになりますし、削るものは木ですから微妙な凹凸でも影響して、刃の食
いつきが安定しませんので、こうしたことを総合的に実用面を考えますと、
刃口から台尻までの 下端は上の図の点線のようにすき取ることになり
ます。
これで台尻側はいわゆる二点接地と言われる状態になる訳ですが、 こう
することで削る板に対して下端はピンポイント的(ライン的)な接触になり、
この接触ラインに平面が出ていれば、仮想的に下端は平面が出ているも
のとして解釈して良いことになります。また接触部分の磨耗や台の動き
(狂い)が出ても、接触部分の修正みので対処することができます。
丸部分の押さえもしっかり効くようになりますし、刃の食いつきもよくな
りますので、安定して削りやすくなります。
勿論修正するたびに凹は少なくなりますので、適宜凹部の修整が必要な
ことは言うまでもないでしょう。
凹部のすき取りについては一般的に最大部分が0.2〜0.5ミリ程度と言わ
れていると思いますが、荒仕工、中仕工、上仕工と削りに合わせて変わっ
てきますし、大鉋と小鉋でも変わってきます。勿論扱う材料の影響もある
でしょうし、刃の切れ味や削る癖も影響してくると思いますので、要は自分
が思うように削ることができれば良いですから、こうした数値はあくまで参
考値で、これに拘ることなく、カット&トライで自分なりの仕立てを見つけれ
ば良いでしょう。

矢印の間口(刃口)寸法についても、一般的0.5〜1.5ミリ程度までと言わ
れていると思いますが、これに関しては自分で仕込みのできる方でしたら
自由自在でしょうが、一般的には鉋を購入した時点で決まってしまいます。
この間口(刃口)寸法は下端調整で次第に広くなっていきますので、なるべ
く狭いものを購入します。狭いものは仕上げ削り用として使い、ある程度広
くなってしまえば、荒中削りに使います。最終的には埋め直す事になります
が、それについてはここでは飛ばします。


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