Challenge 2
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ホゾについて 131 2004.5.19記
反り止めの部材はここでも当然、他の仕様との兼ね合いや外観的なこと
により、幅広で薄いものを挿すのか、幅の狭い背の高いものを挿すのか
など、どんな寸法比のものにするか良く検討します。当然青矢印方向の
反り止めの
幅が広ければ、それだけ反り止め部材自体の伸縮が有りま
すから、蟻の
嵌め合いが変化しますので、そうしたことも考慮していく必要
があります。
そんな事から極一般的には青矢印方向になるべく純粋な柾
目側を持ってくることが自然でしょう。
また蟻溝と蟻ホゾの加工精度、嵌めあい調整が微妙になりますので、特
に大きい天板になりますと嵌め合いが緩すぎれば反り止めの効果が悪く
なりますし、きつ過ぎれば反り止めの部材が差し込めなくなってしまうこと
も出てきますので、なかなか神経を使う方法です。
ただ今は蟻溝ビットが有りますので加工自体は容易ですから、板の反り
止めとしては非常に理に適った方法ですから、可能な限りこの方法を取り
入れていきたいところです。
天板などでは蟻溝自体はなるべく見せたくない部分ですから、片側から差
し込みますので当然片側は止めにして蟻溝は隠してしまい、差し込んだ側
は反り止めの木口(緑矢印部分)が見えてしまいますし、反り止め部材の
長さは天板より通常控えますので、その部分の蟻溝が出てしまいます。
そこでその部分を図のような台形の蟻溝にピッタリの埋め木を作り埋めて
しまう必要があります。勿論この埋め木は天板と同じ目にしますので、蟻溝
は目立ちにくくなります。
下の図は上図の一点差線の断面
(90度回転させた)ですが、止め側と埋
め木側の白丸
部分では蟻溝と反り止めの蟻ホゾの伸縮は、テーブルなど
の幅広の板ではかなり動きますので、そうした伸縮違いが起きても支障の
出ないように蟻ホゾ部分だけ少し落としてある程度の逃げスペースを設け
ておく必要があります。また見栄えを考えて天板が延びたときに、反り止め
より蟻溝が出て見えたりしないように寸法関係を良く考えます。
これは片側から反り止めを蟻挿ししましたので、片側は蟻溝を埋めるにし
ても蟻溝が見えてしまいますので、天板の両木端を止めにして蟻挿しする
方法もありますが、反り止めについてはここまでにしておきますので、自分
なりに考えてみてください。
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