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ホゾについて 130 2004.5.17記

次ぎに上の図は簡易に蟻形の効果を利用したものですが、矢印の 部
材が反り止め、矢印の部材が反り止めの部材を止める部材(駒)にな
ります。 当然矢印の反り止めは接着(固定)せずに自由に動くようにし
て、この反り止めの部材は矢印の駒を天板にビスなどで固定して、間
接的に天板に固定します。
これで天板の伸縮に対しては反り止めは固定されていませんので、自由
に逃げることができ、反り止めの効果を発揮してくれます。また矢印の
駒も天板と同じ目で取り付けますので、この方法自体は非常に理に適っ
た方法です。
見てくれ的には裏面がごたごたしますので、やはりキャビネットで隠れてし
まう場合や、大きい天板になりますと反る力も大きいですし、駒をどの程度
並べるかなど結構面倒なことになってきますので、ある程度の大きさまで
で本当に簡易的な場合向けではないかと思います。

全く同じ発想のものですが、矢印方向から見たところを二段目の図に
表わします。上図のものは反り止めとそれを押さえる駒が蟻形でしたが、
こちらはもっと簡易にL字の駒とストレートの溝にしたものです。
蟻形の吸い付き効果がありませんので、駒と溝の嵌め合わせと駒を取り
付けたときのがたつきに注意する必要がありますが、薄い板の反り止め
としては十分に効果があるでしょう。

最後に一般的に一番多く用いられると思いますが、一番理想的と思われ
る方法を挙げておきます。矢印方向から見たところを下の図に表わしま
す。これは上図の方法では蟻形を簡易に利用した方法でしたが、駒を使
わずに天板に蟻溝を掘ってしまい、反り止めの部材に蟻溝にはまる凸部
(蟻ホゾ)を設けて木端から差し込んだものです。見てくれも良く反り止め
の効果も確かです。
このことについてはChallengeの「天板の反り止めについて」にも書いてあ
りますし。Challenge3の「隙間キャビネットの製作過程」にも写真が有りま
すので、そちらも参考にしていただければと思います。

 
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