Challenge 2
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ホゾについて 124 2004.5.5記
次に同じ二枚組みですが、上の図のように組み合い部分を
片蟻形として、
はまり合うようにしたものです。勿論図からも分かると思いますが、両部
材の蟻形は付ける向きが変わりますので、同一形状にはなりません。
これなども蟻形状の応用で、どちらが後先と見るかは分かりませんが、蟻
組み
接ぎの一部分を取り出したようなものですが、要するに片蟻状ですか
ら桃とか白点線のように見れば、蟻組み接ぎの一部分であることが分か
ると思い
ます。
二段目の図は普通の平ホゾを、こうした板同士の木口部分のL字接合に
用いたもので、当然ある程度の板厚の場合になりますが、内隅側に小ホ
ゾを適当な間隔で配して接合するものです。ホゾ間隔は意匠的に配置を
工夫してさまざまなバリエーションを持たせることができます。ホゾ穴が木
口近くになりますので、あまり強引にホゾを利かせることはできませんが、
全体では結構強固に組み上がります。
ホゾ先は右図のように、これも意匠的なものになると思いますが、鋲を打
ったような形を表わすように、少し飛び出した状態に仕上げることもありま
す。また通しホゾですから楔を打つこともできますが、木口に近いのでそ
れ程利かせることはできませんが、勿論それなりの効果はあります。必
要があればホゾ間に小根を付けることも出来ます。
箱などで黄丸の内隅部分を綺麗に仕上げたい時には内隅側に、ほんの
僅か(1〜2ミリ)胴付を設けてやれば見栄えが違ってくるでしょう。
ここで基本の三枚接ぎの応用について少しだけ書いていきます。三段目
の図は薄い小ホゾにして配したところを表わしていますが、凹側の図は
一部省略して書いてあります。
こうした接ぎはホゾ寸法や分割数など、さまざまなバリエーションが考えら
れますし、それぞれに色々な呼称がついていますが、ひとつの発想として
捉えて良いのではないかと思います。勿論仕様が変われば製作的には
全く別の感覚になるのは当然です。
図はひとつの例として、意匠的に薄い小ホゾを二本ワンセットで適当な間
隔で配したり、一枚一枚を適当な間隔で配したりしているところです。まだ
他にも不等幅で配したり、ホゾ幅自体を不等幅で作ることも出来ますし、
色々アレンジしてみてください。
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